冬の風物詩はアイスヴィレッジ 寒いけど温かい!
トマムの冬の風物詩となった「アイスヴィレッジ」にこの冬、新たに登場したのは、ベーカリーカフェとスイーツショップ。
「氷のBakery & Cafe」の店内に入ると、氷の棚にパンがずらり。一見するとまるで氷の細工のようなパンは、焼きたてのおいしさが瞬間冷凍されていて、温めるとたちまち香ばしく変身する。
氷に囲まれた暖炉の火で温まりながら、熱々のパンとホットドリンクを味わうなんて、なかなかできない貴重な体験だ。
「氷のSweets Shop」には、マカロンやアイスバー、マシュマロなど定番のスイーツが並ぶ。ここにしかないものといえば、自分で作るミルクジェラート。
氷の板の上でトマム牛乳を使用したジェラートの液を混ぜ合わせると、外気の寒さと板の冷たさでだんだん固くなっていき、5分もすれば、口当たりが滑らかでミルクの風味たっぷりのジェラート状になる。
好みのフルーツやナッツをトッピングすれば、豪華なスイーツのできあがり。
「アイスヴィレッジ」は大人も楽しめる場所だ。毎年話題となる「氷のBar」は、氷のカウンターとセラーを設えたバー。今季はさらにパワーアップし、カクテルやウイスキーなど、メニューが50種類以上も揃う。
なかでも、トマムの雪解け水を使用し、ホワイトチョコレートで香りづけされたジンは、ほのかな甘みがほっとするテイストだ。
「氷のBakery & Cafe」や「氷のSweets Shop」で軽食やドリンクをテイクアウトして、「氷のクリスタルパーク」で楽しむのもいい。
夜空は澄み渡り、氷と雪が織りなす街並みや白樺の森は幻想的で、ロマンチックな気分に浸れるはず。
ふと空を見上げれば、雪原と氷の街を照らす華麗な花火が。夜空を染める花火を眺めていると、気温は低いのに、暖かな空気を感じるから不思議だ。
毎年話題を集めているのが、壁や天井はもちろん、テーブルやイス、ベッドまですべてが氷でできた「氷のホテル」。
1日1組限定の、「リゾナーレトマム」か「トマム ザ・タワー」のゲスト(小学生以上)のみ利用できるスペシャルな1室だ。
見るからに寒そう! でも、シュラフに包まれて氷のベッドで眠るのは、なかなか快適なのだとか。
もちろん、寒さに耐えられなくなったら、いつでも屋内のゲストルームに戻ることができる。覚悟を決めず、軽い気持ちでチャレンジすれば、濃厚な旅の思い出が刻めるかもしれない。
2020.02.22(土)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵