山陰出身の“ヒゲダン”を 同郷の母が応援宣言

■King Gnu「白日」

 ずっと「白目(しろめ)」だと勘違いしており、どんなコミカルな歌なのだろうと思っていたがとんでもなかった。素晴らしくスタイリッシュ! 2018年の「Lemon」と同じく、紅白以降エンドレスリピート状態だ。

 ボーカルの井口 理はスウェットで登場しオイオイ買い物帰りかいと思ったが、MVの衣装と同じ服装で挑んだと知り、勉強不足な自分に恥じ入った。

■五木ひろし「VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね~」

 ゴキゲンな人生讃歌……なのだが、アップテンポな曲ゆえに、チコちゃんと岡村隆史、そして筋肉サックスの武田真治がいささかはしゃぎすぎる場面もあった。笑顔でそれを受け止める五木ひろしの器の大きさよ……。

 NHKは五木ひろしと天童よしみの包容力に対して、ギャラとは別の形で謝礼を出してもよいのではと思う。

■Official髭男dism「Pretender」

 バンド名から、メンバー全員髭モジャで男臭いゴリゴリのロックを歌うと決めつけていた。

 ところがどっこいとても素直そうな青年が、最高にスウィートな声で「君はキレイだ」と言ってくれるもんだから好きにならないわけがない! 原田真二を思い起こさせるロマンチックボイスに夢中。

 メンバーに島根県の出身の方がいらっしゃるということで、島根生まれの母が突然応援宣言をした。「故郷が同じ」は瞬時に絆を生む。

2020.01.22(水)
文=田中 稲
撮影=文藝春秋