米津玄師の名唱に腰が抜けた!
平成最後の紅白歌合戦。記事がこんなに遅れたのは、書いては消しのラブレター状態だったからである。というのも、私は2018年12月31日以降、心から出て行ってくれない彼の歌声に困惑している。
白状してしまおう。これまでアウトオブ眼中だった米津玄師氏の歌唱に腰が抜け、いまだ真っ直ぐに歩けないという状態が続いている有様なのだ。
たとえると「死ぬまで一生食うことはないだろう」と思っていた食材を、尊敬する上司の勧めで仕方なく口に入れてみたら大好物になり「なぜ私はこれまでわざわざこれを食うチャンスを自ら逃していたのか」と猛烈に悔しがるようなもの。YouTube世代恐るべし。「千本桜」の時も思ったがいいもん作るじゃねえかチックショー! 嗚呼Lemon、Lemonをくれッ。
ということで、Lemon以外にもいろんな曲との出会いと名場面がありました2018年の紅白歌合戦。
以前「思い出のメロディー」のレポを番組放送の2カ月後にアップした時、読者の方から「なぜ今」という戸惑いコメントをいただき、そりゃそうだろうと猛省したにもかかわらず、今回も心のハンカチに染みついた名場面だけでも皆さんとサンセットメモリーしたくなってしまった。
ありがたいことに、週刊文春がリハーサルの取材に入っていたので、異常なほどに写真が充実しているという。ヨッシャならば私の今さらな情報はともかく、リハの写真を愛でる喜びはご提供できる。
んもう専門的な批評は識者の方々にお任せし、ワイワイとコタツモードで振り返ろうではないか。
2019.02.09(土)
文・撮影=田中 稲
写真=文藝春秋