最高に泣けた「夏の紅白」を
プレイバック!

 NHK「思い出のメロディー」。それは、「夏の紅白」とも呼ばれる音楽の大祭。皆さまのリクエストを反映した語り継ぎたい名曲を、若手とベテランが力を合わせ豪華に歌いあげるという、昭和歌謡ファンにはたまらん番組なのである。

 そして2018年8月18日(土)に放映された第50回「思い出のメロディー」は、今世紀ナンバー1、後世に語り継がれるレベルの、最高にナイスで大感動な2時間半であった。

 遅ればせながら、あの感動を私も今一度掘り起こしたい。少しでもあなたと共有したい! が、さすがに2カ月経ってからこの記事はどうだろう(迷)。

 いやいや、録画装置が家になくて泣いている私のような家電オンチの方もおられるだろうし、もう一度語りたいと思っておられる方もおいでだろう。おいでのはず。おいででありますように!!

 というわけで、書いちゃおう。第50回「思い出のメロディー」の様子をプレイバック!

■「瀬戸の花嫁」小柳ルミ子

 真っ赤なドレスと花の髪飾りでド派手に登場。「『思い出のメロディー』は夏の紅白。私はいわば紅組トップバッター!」というプライドを見た! 唯一残念だったのは、ベテラン歌手が一度は陥る「メロディーより少しずらして歌いたくなる症候群」の症状が見えたことだ。おかげで花嫁が心配症でなかなか実家から出ない的な「瀬戸の花嫁」に。

■「望郷じょんから」細川たかし

 津軽三味線世界大会優勝者の皆さんによる大迫力津軽三味線に乗って、NHKホールに響き渡るたかしのハイトーンボイス! 髪型が変でもこの衰え知らずの声を聴けば全てが許される。

■「みずいろの手紙」あべ静江

 水色のドレスで客席から登場。妖精ルックのキッズダンサー4人がとてもキュートに盛り上げたのはいいが、キッズの立ち位置がちょこまかと移動し過ぎて、三半規管が弱い私は見ていて酔った。

■「甘い生活」野口五郎

 マイクを離しても離しても入る五郎の声量よ……。しかもこの「甘い生活」の歌詞は年取るほどに沁みる。そうなんだよー、恋人と通った店ってラブラブの時はいいけど、別れた後「あれっ? 最近連れ合いどうしたの?」なんて遠慮なく聞かれてよけい凹むんだよ!

■「他人の関係」金井克子×純烈

 金井克子様、西野バレエ団出身のプライドを守り素晴らしいプロポーションで優雅にシンガソン。しかも今回はバックダンサーに純烈! なんと贅沢な。彼らがスタンドマイクに仕込んだ赤いスカーフを開いたり閉じたりしながら踊るというコンセプトは謎だがエロかっこいいのでOK。

2018.10.17(水)
文=田中 稲
写真=文藝春秋