獅子舞に飲み込まれる小林幸子

■「ダンシング・ヒーロー」荻野目洋子

 現在再ブレイク中、露出度と比例してみるみる若返っている荻野目ちゃん。今回は男子新体操チームBLUE TOKYOがグルングルン宙返りしステージに花を添えていた。コラボしやすい曲なのだろう。このままいけば今年の紅白あたり木下大サーカスとかシルク・ドゥ・ソレイユとか引っ張ってきそうな気もする。

■「ヴィーナス」長山洋子

 武富士ダンサーズを思わせる、露出度の高いシンプルな衣装のダンサーを従えて登場。迫力があってさすがだったが、彼女は三味線片手に「じょんから女節」を歌っている時が一番ロックなんだよなあ。

■「おもいで酒」小林幸子

 切ない歌の世界観は完全スルー。ジャンボ獅子舞の口に乗って登場、一度獅子に飲み込まれ、その後獅子舞の頭頂部からゴールドの衣装で再登場という、文章では非常に書き表しにくいほどの大胆不敵な演出を見せた。そのうえ花柳社中の皆さんにラインダンスをさせる無茶まで決行。それでこそ幸子。

■「傷だらけのローラ」氷川きよし

 西城秀樹追悼。さすがきよし、魂の歌唱、「ローラ!」の絶叫に涙腺崩壊。老いた母が目を潤ませながら「この感動、氷川きよしの声量があってこそよね。発声ができていない歌手には到底無理だわ」という、アンタはいったい何様なんだという意見を述べていた。

■「ブルースカイ・ブルー」野口五郎×西城秀樹

 ヒデキが横にいるかのようにスタンドマイクを立て、2人で歌うという構成。しかも、祈るように噛みしめながら歌う五郎。これ聴いて泣かん人おる?? 歌唱の後、彼が最後にスタンドマイクに向かって手を差し出し、ヒデキを讃える仕草でトドメ。さらにそれを見ての「ひっくひっく!」と子どものように泣きじゃくる氷川きよしにもう一度もらい泣き。なんじゃ今回の思い出のメロディーは。神過ぎるぜ!!

■「あの素晴らしい愛をもう一度」「ふれあい」中村雅俊

 この後に歌う中村雅俊のプレッシャーたるや……と思ったら、録画であった。もうおじいちゃん役をするようになったんだなあ。相変わらず渋いけど。

■「東京キッド」市川由紀乃

 演歌界屈指のスタイル美人、由紀乃姫。ひばりとはまた違った魅力の東京キッドだったが、この人は本当に嫌味がないですね。万人に愛される爽やかスマイル。ファンです!

2018.10.17(水)
文=田中 稲
写真=文藝春秋