移転は新たな時代への幕開け
「愛本店」の “これから”
創業者である故・愛田 武氏によるホストクラブ「愛」には長い歴史と伝統がある。のみならず、次々と革新的な試みを続けてきた。
反社会勢力との関係を断ち、風営法による深夜営業への規制に閉店するホストクラブも多かった中、現在の19時頃~深夜1時までの営業時間を、歌舞伎町のピークタイムとして定着させたのも愛田氏だった。
愛本店を語るには、愛田氏の存在抜きには語れない。
誰よりも先に新しいことを始める胆力を持っていた愛田氏のスピリットは未だ色濃く残り、歴史と伝統を守りながらも進化し続けることが、愛本店のポリシーである。
たとえば、ホストクラブと言えば開店が夕刻であることからも“夜”のイメージが強いが、現在では日中に店内でセミナーを開催していたり、社交ダンスのレッスンなども行っていたりする。
変わらないものを守りながら、変わっていくことを恐れない。それが歌舞伎町の老舗ホストクラブ、愛本店なのだ。
移転は、2020年6月。次の場所は未定ながら、「これまでに築き上げた歴史はそのまま持っていく」と、代表の壱(いち)さんは言う。
現在の店は故・愛田氏の残した「宝物」だと、亡き社長への敬慕の念を滲ませていた壱さんだが、“伝統”が必ずしも頑なに守られなければならないものだとは考えていない。
よい部分はそのままに、悪い部分は見直して。他のホストクラブには決して真似できない“これから”の愛本店を新たに創り上げる意気込みは十全だ。
2020年5月~6月には特別なイベントも企画しているそうなので、移転前の愛本店を味わってみたい方は、この機会に足を運んでみるのもいいだろう。
近年のホストクラブに見られる若年化やカジュアル化に迎合することなく、あくまでも“大人の社交場”としての世界観を、愛本店は引き継いでいくという。
ホストたちも、若手とベテランが互いに刺激し合いながら、新しい場所で新しい文化を築き上げるのだろう。
老舗と呼ばれるホストクラブには、老舗の名に相応しいだけのプライドが確かにあった。
※記事は2019年11月に行った取材をもとに作成。料金など内容は取材時のもの。
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【取材協力】
愛本店
2020.01.02(木)
文=木間のどか
撮影=近藤健嗣、松本輝一
動画撮影・編集=松本輝一