日本一の歓楽街と呼ばれる東京・新宿の歌舞伎町。その一角に、老舗として名高いホストクラブ「愛本店」はある。

 各種メディアに登場していることもあり、その名には覚えのある方も多いのではないだろうか。絢爛な店構えからして一味違う愛本店だが、ビルの老朽化により2020年6月に移転することが決まった。

 現在の店舗での営業は残り約半年。東京のアンダーグラウンドの象徴とも言うべき歌舞伎町の老舗名店、その内部に潜入してみよう。


老舗ホストクラブ「愛本店」
豪華絢爛の店内を堪能

 一歩足を踏み入れれば、そこは別世界。ホストクラブ「愛本店」と言えば、360度インスタ映えのゴージャスな内装が有名だ。

 これらはすべて、ホスト界の帝王とも呼ばれ、現在まで続くホストブームの仕掛け人でもあった創業者、故・愛田 武(あいだ たけし)氏の発案によるものだという。

 愛本店のコンセプトは、“大人の社交”だ。

 熟練から若手までホストたちの年齢層は幅広いが、総じて店に立つ際にはスーツの着用が義務づけられているという。この店のホストたちには社交ダンスの嗜みがあり、それも“社交場”らしさと言えるだろう。

 ダンスフロアを持つホストクラブは国内で唯一、愛本店のみ。

 生バンドの演奏を背景に、フロアで社交ダンスを愉しむ。ゴージャスな店内の装いにも、ピシッとスーツを着こなしたホストたちにも、“大人”の女性こそがよく似合う。

 かつては社交場に集う貴婦人方に欠かせなかったダンスのスキルも、今の時代、踊れる女性はそう多くない。

 それでもダンスのリードは当然ながら男性に任せるもの。臨場感たっぷりのムード溢れる生バンドの演奏を背景に、愛本店のホストたちは巧みなリードで女性を酔わせてくれる。

2020.01.02(木)
文=木間のどか
撮影=近藤健嗣、松本輝一
動画撮影・編集=松本輝一