カンヌ出品作から、「ウルトラマン」まで

――黒沢清監督の『トウキョウソナタ』(2008年)では、カンヌ国際映画祭でレッドカーペットを歩かれましたよね?

 あの頃はカンヌの場所も分からなかったんですが、現地ではずっと興奮していて、空気感を味わっていたいという気持ちが強くて、ほとんど寝なかったです。香川照之さんと小泉今日子さんという錚々たる方々と息子役として共演させていただき、黒沢清監督の作る空気感に入り込んだ作品だったので、芝居しているときのワクワクだったり、ゾクゾクだったりから鳥肌が立ったんですね。この感覚があるなら、俳優を続けていきたいなと本気で思えた瞬間でした。また、いつか黒沢監督に呼んでもらえるように頑張らなきゃいけない、という気持ちで今も毎日頑張っています。

――さらに、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010年)ではヒーローもので主演を務められました。このときの心境はいかがだったのでしょうか?

 まさか、ウルトラマンになれるなんて思ってもいなかったですし、男のコなら一度は憧れるヒーローですから、自分の中でカッコ良くなきゃいけないなと思っていました。だから、頑張ってダイエットしましたね(笑)。

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2012.11.16(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Atsushi Hosoda