道尾秀介の小説を原作に、阿部寛主演で映画化した『カラスの親指』。阿部演じる主人公らと一世一代の大勝負に挑む、元時計職人・貫太郎を演じているのが小柳友、24歳。本作のほか、11月から12月にかけ、3本の映画が連続公開される注目株の素顔とは?
子役モデルから俳優に転身
――お母さんの勧めで、3歳でモデルとして活動を始められた小柳さんですが、当時の記憶のようなものはありますか?
親に連れられて、大人の人がいっぱいいるところに行って、写真を撮られている感覚は覚えていますね。女のコと手を繋がなきゃいけないこともあるけど、そこは頑張らなきゃいけないと、子供ながらに思っていました。でも、これが仕事だとか、ましてモデルなんて職業は分かっていませんでしたね。だけど、いちばん最初に受けたオーディションは0歳のときのようなんですよ。
――その後、俳優に転身されますが、これまでに転機となった作品はありましたか?
10代の頃、ある映画のオーディションを受けたんですが、その原作を読んだとき、どう考えてもこの役は僕しかいないと思っていたんです。でも、最終オーディションで監督さんに「君の芝居ができていたら受かっていた」と言われたんです。このとき、初めて芝居に対する悔しい気持ちが生まれました。この監督に次に会ったときに、芝居がちゃんとできていたらいいなって。それで頑張っていたときに、『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(2008年)という映画に出会ったんです。コメディということもあって、楽しい現場も含めて、お芝居が楽しいと感じ始めた作品。あのときと同じ感覚を味わわせてくれたのが、今年参加させていただいたドラマ「ビギナーズ!」ですね。遅れてきた青春を楽しませてもらい、いい友達を作らせてもらった作品でした。
2012.11.16(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Atsushi Hosoda