俳優は何でも挑戦することのできる職業
――また、同時期には、ファッション業界を描いた『FASHION STORY~Model~』(11月17日公開)や、震災をテーマにした『おだやかな日常』(12月22日公開)も公開されますね?
たまたま同時期の公開になりましたが、違う時期に撮影したものなんです。でも、それぞれ自分のなかの違う引出しを出していったら、今回、3作合わせて観たときに全部違う人物になれていたのでうれしかったですね。そして、改めて僕は映画が好きなんだなと思いました。台本が出来上がっているから、それをこうしていこうと作戦を練れる。今後もひとつひとつのシーンを大事にして、記憶に残るものを作っていきたいなと思います。
――さらに、12月に出演される舞台「家康と按針」は初舞台になるわけですが、いかがですか?
今、大河ドラマ(「平清盛」)もやらせていただいているので、時代劇というものには慣れてきたんですが、市村正親さんと共演させていただくというのは、やはり緊張しますね。スタンスを崩さず、モチベーションを保ちつつ、頑張っていけたらいいです。
――最後に、将来に対する思いについて教えてください。
昔は役者という職業は頭が良くないとできない、と決めつけていたこともあって、自分には難しいかなと思っていたんです。でも、今は何でもやる機会があるというか、何でも挑戦することができる職業だと、前向きに考えられるようになったこともあり、楽しみながらやれています。あと、以前にドラマ「ヤンキー君とメガネちゃん」(2010年)で共演させていただいた古田新太さんと、また共演する機会があればうれしいですね。
小柳友(こやなぎ・ゆう)
1988年8月29日生まれ。東京都出身。A型・187cm。3歳の頃から子供モデルを始め、雑誌などで活躍。その後、俳優に転身し、2006年『タイヨウのうた』で映画デビュー。その後、『トウキョウソナタ』のほか、『ハナミズキ』『阪急電車 片道15分の奇跡』などに出演。また、「家康と按針」(12月1日~KAAT神奈川芸術劇場、青山劇場など)で初舞台を踏む。
『カラスの親指』
ベテラン詐欺師のタケ(阿部寛)と相棒のテツ(村上ショージ)。ある日、ひょんなことから少女・まひろ(能年玲奈)と知り合ったのをきっかけに、二人は彼女と姉のやひろ(石原さとみ)、その恋人の貫太郎(小柳友)と共同生活を送ることに。次第に奇妙な絆を育んでいく5人は一大詐欺作戦を計画する。
crow-movie.com
(C) 道尾秀介・講談社 / 2012「カラスの親指」フィルムパートナーズ
2012年11月23日(金・祝)全国ロードショー
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2012.11.16(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Atsushi Hosoda