プライベートでは一切会わない
高杉真宙の存在

――高杉真宙さんとの3度目の共演となった『逆光の頃』もマンガ原作ですよね。

 あの原作に関しては、娯楽性より芸術性を感じていたので、ほかの実写化作品よりはキャラ作りについて考えることはありませんでした。

 現場に関しては、(高杉)真宙とまた共演できたことが嬉しかったですし、僕たちの関係性に近い役どころ。

 しかも、(共演の)金子大地とも友達だったんです。素直にカッコいいなと思える人たちと一緒に映画を作れて、純粋に幸せでしたし、出来上がった作品も完璧だったと思います。

――高杉さんとの関係性は、普通の友人関係とは違って、ちょっと面白いですよね。

 お互いインドアな性格なので、どこか立ち入らないようにプライベートでは一切会わないんです。でも、『逆光』の撮影中は民家に真宙と2人で住んで、毎晩話してました。

 今もNHKドラマ「サギデカ」で共演しているんですが、空き時間はどちらかの控室に行って常に話していますね。この業界で一番最初にできた友達ですし、この不思議な関係性はこれからも変わらないと思います。

――そんななか、どこかライバル視しているところもあるのでしょうか?

 正直な話、僕の人生は僕が良ければ、いいと思っているんです。ほかのことは気にしないなか、真宙が大きな作品で主演をやることを知れば、純粋にスゴいと思いますし、僕自身も嬉しいんです。

 反対に、真宙からは「尋也がうらやましい」と言われますが(笑)。

 だからこそ、お互いに頑張ろう、という気持ちの“負けられない気持ち”があると思います。とにかく人がいいし、カッコいいし、愛すべき存在。

 だから、これからも一緒に意識し合って上がっていきたいですね。大地も今、頑張っているところなんで、あえて連絡していません(笑)。

2019.06.28(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘