大聖堂の美しさに圧倒される

 アマルフィ海岸の中心の街は、アマルフィ。

 守護聖人の聖アンドレアを祀るアマルフィ大聖堂のドゥオーモがアイコンになっています。

 クーポラの鐘楼が脇に控えたアマルフィ大聖堂は、ロマネスク様式、イスラム様式、ゴシック様式が融合。アマルフィが歩んできた歴史が建築に投影されています。

 アマルフィ大聖堂の脇から入る「天国の回廊」は、イスラム建築の建物の中央に地中海風の庭園を配置。庭園の柱の合間から見上げると、高いヤシの木の向こうに青空が見えます。

 「天国の回廊」に隣接した付属の聖堂には、聖アンドレアを安置した地下礼拝堂があります。これが、絢爛豪華な装飾をありったけ施したバロック様式の広間。

 大理石のモザイク模様が美しい柱に精緻なカービング、天井を埋め尽くす壮麗なフレスコ画……。圧倒される美しさです。

 ドゥオーモ前から内陸へ続く小道は土産物店やレストラン、カフェがびっしり。

 店先には名産のレモンを使ったアイテムが並んでいます。レモンを練りこんだパスタやリキュールのリモンチェッロ、レモン柄のエプロンにレモン型のソープなど、黄色にあふれています。

 さらに小道をぐんぐんと進むと、紙の博物館があります。

 アラビアとの貿易から技術が持ち込まれた手すきの紙。13世紀から1969年までその場所で製紙されていたそうで、今は昔ながらの作り方や道具が展示されています。

 実は、アマルフィの紙の原料はコットン。動物のおしっこで漂白したのだとか。

 売り場では昔ながらの製法の紙が並んでいます。でも「漂白も昔ながら?」と、手を出すのを躊躇してしまいました。

2019.05.25(土)
文・撮影=古関千恵子