LOVE:ラビオローネ
黄身がとろ~のバランスが「かんぺき!!!」

ビオディナミコ|渋谷

 毎日ぼんやり過ごしている間に、お店が次々と誕生し、新メニューができたり、なんとかさんがどこそこに移ったりと、飲食業界もいろいろなことが起きる。なにぶんぼんやり過ごしているからそういうことにも疎くなりがちで申し訳ないことだ。そんななか、「シェフが替わるよー。面白い料理作るから遊びにいらっしゃいなー」というお誘いをいただき、本当に楽しかったので記録しておきたい。

 渋谷の「ビオディナミコ」といえば、バリバリなトスカーナ料理を食べさせてくれるイタリアン。だった。のだが、トスカーナ料理一直線の辻大輔シェフが独立し、「エノテカ キオラ」や「SALONE2007」でシェフを務めた高見博史シェフが、今度はエミリア・ロマーニャのバリバリ料理を作ってくれるお店に変身させた。エミリア・ロマーニャというとイタリアのブーツ型でいうところのふくらはぎのちょい上くらいの場所ですね。

スープが注がれてないときの「フォッサのムースとモルタデッラのパテ」。スープがしみるのでひと口目とふた口目でもう味が違うのが面白い

 始まりは少し素朴に、小さな煮込み料理だった。サルシッチャとうずら豆を煮込んで、豆のでんぷんでとろんとした料理。イタリア料理でも煮込みを食べると「秋ですね~」という気持ちになる。風流。

 2皿目はいよいよ面白くなってきましたよ! ブリオッシュの上にペコリーノ・ディ・フォッサのムース、エミリア・ロマーニャ伝統のモルタデッラソーセージを使ったパテ、イチジクのジャム状のものを重ねる。そこに無塩のスープをテーブルで注いでもらって出来上がる。いろんな味が重なったり溶け合ったり、ちっちゃいのにめくるめく、小悪魔料理だ。

 そして、この日いちばんキュンキュンきたひと品は次のページで!

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2012.10.10(水)