■「いつかこの恋を思い出して
きっと泣いてしまう」
まずキャスティングから進めた
──「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」は久々のラブストーリーです。どのように物語を組み立てていったんですか?
坂元 ラブストーリーはメインの男女の役を誰に出てもらうかですべてが決まると思うので、お話はギリギリまで考えず、とにかくまずキャスティングから進めました。
そして、有村架純さんと高良健吾くんが決まり、「人生はつらいけど、恋をしているときは忘れられる」というテーマで第1話を書いたんです。
でも、最初に書いた設定が上手く行かなくて、時間もなくなってきちゃって、どうしようか? ってなったとき、真夜中でしたけど、プロデューサーの村瀬(健)さんが「学生のときに、家に泥棒が入ってお父さんからもらった手紙を破られた」という話をしてくださって、「その話、僕にください」って。
そこから考えて、1話は、高良くんが有村さんにお母さんの手紙を届けに行く話になりました。
――上京前の音ちゃん(有村架純)が北海道に住んでいるのはなぜですか?
坂元 駆け落ちの話にしたかったんですよ。東京に駆け落ちしにくるわけだから、東京から遠い場所のほうがいいし、1月のドラマだったし、雪が見たいですよね。
あと、僕は1回でいいから関西弁を話す主人公が書きたかったんです。有村さんは関西の方だし、音ちゃんを「大阪出身だけど北海道に住んでいる」という設定にしました。
──有村さんが音ちゃん役になったことで、やりたかったことが叶ったんですね。
坂元 そうですね。予期していなかったのに、何かがつながっていくときは楽しいです。高畑さんは何の縁もない博多弁を話す設定でしたけど(笑)。
2018.10.26(金)
構成=上田智子