LOVE:ビステッカ&ローストチキン
お肉屋さんの親戚筋のイタリアン

トラットリア フィオリトゥーラ|神楽坂

 神楽坂でイタリアンを求めてさまよっているときに出会ったお店。同行者がまだ来ていなかったのでカウンターでのんびりさせてもらうことになった。ここが楽しい! オープンキッチンといっても視界が広くて、まぁなにからなにまで見えてしまうのだ。ひとりごはんでもまったく退屈しないと思う。

 さて、メニューがまた読むだけでも飽きさせない。衣替えの季節に行ったので、夏メニューに変わったばっかり。特筆すべきは冷たいパスタの種類が豊富なこと。桃とかスイカとかメロンとか、夏のフルーツが冷製パスタで食べられるようだ。手打ちパスタも結構あって、ひとりごはんでも! と言ったそばから、選びきれないという意味では誰かと行ったほうがいいかもしれないな~。

 問題はますますややこしいことになってきた。メインメニューも楽しすぎる……。ビステッカが売りのお店なので、牛は食べるとして、さりげなくその下にも好物の肉メニューが並んでいるではないか。富士幻豚のTボーングリル、骨付き仔羊の特大カツレツなんて、やだもうテンションが上がる。

ローストチキンのために控えめにしたビステッカ(しかも取り分けてちょっと食べてしまった)。ほかの人のを見るとなかなかの壮観

 ひとりメニューを見てニヤニヤしたり(決めきれずに)困ったりしていたら、サービスの人が話しかけてくれた。どうやらこちらはお肉屋さんの親戚筋のお店。しかも、家賃がかからないらしく、お肉もワインも安く提供できるのだそうだ。私はお酒が飲めないが、後から来た同行者は「これはお値打ち」とグラスワインをカパカパと空けていた様子。

 同行者が来て、結局、お肉をたくさん食べるためのたっぷりのサラダや、桃の冷製パスタ、ほかにも手打ちパスタを。秀逸だったのがトリッパのカツレツで、衣はカリッカリ、トリッパ自体もサクッと歯切れよく。目の前で茹でられ、衣をつけて揚げるまで全部見えちゃうし。

 ビステッカはサーロインが少ししかないということで、モモ肉との盛り合わせにした。最近赤身づいていたので、霜降りがしっかりと入ったとろける感じのA5の牛肉もやっぱりおいしいなぁ! 別のお店で「風潮が変わってか『霜降りより赤身が好き』って言い出すお客様がいきなり増えた」って笑ってたけど、私は正直言って両方好きです。えへへ。

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2012.07.25(水)