LOVE:えびフライ
えびとかにの連続技に悶えるコース

うぶか|四谷三丁目

 なにかに夢中になって話し出したら止まらない人の話を聞くのは面白い。取材先でもたまにそういう人に出会えると楽しくてついつい趣旨と関係のない話を延々と聞いてしまう。そんな空気を醸し出している人と出会った。

 四谷・荒木町にできた「うぶか」は甲殻類料理の専門店。そう、えびかにのお店なのである。「『チャイニーズタパス レンゲ』の奥で黙々と働いていた人が独立したんだよ~」と聞いたので中華料理かと思いきや、基本的には和食。荒木町の街角で小料理屋さんのような佇まいである。

大好きな春雨と干しえびの組み合わせには参りました。ホワイトアスパラも添えられている

 コースは5800円と7700円があるが、当然! だし巻き卵がついた7700円のコースに決定。ひと品目は「干しえび春雨」。だしが絡まったり染み込んだりしている春雨は私の生きる甲斐のひとつ。さらに干しえびというのも好きなだしの素ベスト3に入る。「チャイニーズタパス レンゲ」でもおいしい春雨を食べさせてくれるけれど、これもまた秀逸。アクセントはナッツで香ばしい。これはえび心が高まる!!

 さらにえびだし充満の「車えびのビスク」や毛がにがのったトーストといったえびかに混合前菜が。赤むつのお刺身を甘えびの酒盗であえたり、亀の手とえびのしんじょうのお椀が登場したりとあの手この手でえびかにが料理されてくる。えびやかにが旨みのかたまりであることは言わずもがななんだけれど、組み合わせと引っ張り出し方でこんなにもいろんな魅力になるのかとうっとりしてしまう。

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2012.06.27(水)