後半戦はいよいよえびかに直球が飛んでくる

 バシーン! とミットに飛び込んできたのはお寿司。さっきまで活きていたビッチビチの才巻えびがあっという間にお寿司に握られちゃったかんじ。身はこりこりといかっているし、しっぽはちょっと動いてる!? こなれたえびも甘くていいけれど、これはこれで独特の食感があり、あっさりしてすっきりした旨みがおいしい! 黒酢の酢飯も合うわけですね。

にょっきり! えびフライ。高級洋食のカツレツのようなきめが細かくてしっかり揚げの衣もえびを引き立てる

 次はえび料理の代表、渾身のえびフライ。棍棒のような形は、ワタを先頭にまあるく詰め込んでいるため。これがね、うれしい悩みなのです。頭から食べるとワタが終わってしまう。しっぽから食べると最後がワタのみになる(それも贅沢)。好きなものを最初に食べるか最後に食べるかという性格的なものもあるが、これにはキャッキャしながら悩んでしまった。結局バトンのようにあっちからこっちから食べて楽しみました。贅沢だったな、えびフライの先頭。タルタルもあんまり好きじゃないのだが、まろやかでえびの身のほうによく合うため完食。

 いよいよ楽しみにしていただし巻き卵。エビの卵がぱらぱらっと入ったおだしがまあ優しいこと! 卵焼きも優しいが、だしが優しくて優しくて、卵をほぐしつつ飲み干しました。そのあとホワイトアスパラとずわいがにの炊き込みご飯と赤だしをいただき、トマトのデザート(これはノーえび)でコース終了。

 というわけで、コース中はお忙しかった加藤料理長がここで登場! 澄んだ瞳でえびとかにを語る。語り尽くす。今回のコースのえびかに、来月のえびかに、楽しみなえびかに! 「かに道楽」で料理修業をスタートさせたというあまりにも正しいキャリアにも感動。取材でいろいろな人とゆっくりお話できるのはこの仕事の醍醐味。今度はゆっくり加藤料理長のえびかに汁を浴びたいものである。というわけで今回のラブは加藤料理長のえびかに愛。

うぶか
住所 東京都新宿区荒木町2-14 アイエス2ビル1F
電話番号 03-3356-7270

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2012.06.27(水)