LOVE:鶏腿堡
もちもちパンにジューシーチキン

鄭姑媽(ヂェングーマー)|台北

 仕事で台湾・台北に行った。4泊5日、のべ50軒にも及ぶ飲食店取材(リサーチ含む)。フードライターが肉体労働者であることを身にしみて思い出させてくれる充実した出張であった。いやはや、食べた食べた。

 1日10軒以上ものお店に行って食事をするのだから、当然「仕事のあとに食事」「あいた時間にスウィーツ」なんていうのもまったく食べる余地がない。これがこの仕事の宿命なのである。結局、出張期間中に食べたいものを注文して食べたのは最終日の夜だけだった……はずだが、実は私はひと品だけ“食べたくて食べる”をやっている。

「鄭姑媽」は学校のそばにあり、学食みたいな存在のお店らしい。私が行ったときは授業中だったのか学生はおらず、サラリーマン風の男性で賑わっていた。なぜ「学食みたい」という印象を持ったかというと、入り口を入ってすぐにステンレスの厨房があり、三角巾のおばちゃんたち、つまり姑媽(中国語で「おばさん」の意)がせっせと料理を作っているから。

 どうもこちらの名物は揚げ物らしい。台湾人は特に揚げた鶏が好きみたいで、おいしそうな屋台があちこちにあり、まだ胃に余力があったころは危うく手を出しそうになってばかりいた。ここも然り。しかも、間近に見えるフライヤーではシュワ~ッと軽やかな音をたてている。「ここはいいかも!」と心のなかでチェック。

 さらに見つけたのが柱に書かれた表示。温泉の成分かなにかのように貼り出されていたのはなんと油の状況だ。「いつも清潔な油を使っています!」の文字の下に温度165℃、酸化度は<2.0とある。さまざまな揚げもの現場に通ったが、こんなの初めて。

こちらは単品の「鶏排」50元(150円弱)。ごはんにのったセットもある。ほかにも麺類やチャーハンなど手軽でおいしいメニューが揃う。デリバリーも

 リサーチで食べたのは「鶏排」。骨付きの鶏の揚げ物だ。にんにく、しょうが、醤油などでしっかり下味が付いていて、質のいい油で軽く揚がっている。のっているのは紙皿だが、なんという完成度! そんなことを考えながらお仕事するうち、私の心をとらえたのは、オススメなのか新メニューなのか、ポスターで推されているバーガーだった……。

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2012.07.10(火)