くるくると丸めて携帯できるラフィアの帽子“クラシック”が有名なヘレンカミンスキー。

 すでに名の知られたブランドですが、今シーズンは、いつも以上にセレクトショップなどで見かけることが多いよう。素材を生かしたナチュラルな雰囲気が、旬のエスニックスタイルにぴったりだからかも知れません。

左:私がいま欲しいのは、この“ZARINA”。いままでマニッシュ過ぎる中折れ帽には興味が湧かなかったけれど、こんな丸みのあるシルエットなら大人の女性にも似合いそう。¥25200
右:“ZARINA”の後ろ姿。華奢なリボンやちょっとした刺繍などフェミニンさもあるデザインは、花柄のワンピースやスカートとも相性抜群

 ヘレンカミンスキーは、1980年にオーストラリアで生まれたブランド。創始者であるヘレンさんが、子ども達をオーストラリアの強い陽射しから守るためにラフィアの帽子を作ったのが始まりです。

 彼女は、最高品質のラフィアをマダガスカル島で発見。そこにファクトリーを建て、いまでもすべての商品が、マダガスカル島産のラフィアを用いて現地の職人達の手で作られているそうです。

モダンな配色や持ち手のレザー使い、エスニック調のタッセルなど、クラス感漂うラフィアバッグ。内側も、布を張る必要のない美しい仕上がり。ポケットもあり、きちんと実用性まで考えられているのもお見事。¥35700

 毎年、この時季になると方々からラフィア素材のアイテムが出されますが、なかでもヘレンカミンスキーの洗練されたスタイルが別格なのは、やはり強いこだわりが感じられるから。

 丁寧な編み方はひと目見ただけで上質とわかりますし、触った感じもゴワゴワせず柔らか。それがデザインにも生かされていて、旬のスタイルでも行き過ぎないソフトな印象が大人にも取り入れやすいのです。

 若い頃はトレンド感の強いものを今季限りとわりきって買うこともありますが、クレア世代であれば、そろそろラフィア小物といえども長く愛用できる“名品”を手にしてみてはいかがですか?

左:最近は布帛帽子のラインナップも増えているよう。カジュアルなカプリーヌタイプは、ツバの広さやカッティングなど微妙なバランスにセンスのよさが。“KEITA”¥16800
右:この帽子も丸めて携帯可能。デニムとも女らしいワンピースとも好相性で、ひとつ持っていると便利な万能選手です

エリオポール表参道
電話番号 03-6419-7788

Column

河井真奈の「デイリー名品」

CREAでもお馴染み、スタイリストの河井真奈さんが見つけた、日常で愛用できる「ファッションの名品」をお届け!

2012.05.30(水)
text:Haruko Murakami