4枚のスカーフをコラージュしたようなデザインは、どこを見せて巻くかによって幅広いアレンジも可能。タペストリーとして飾っても素敵。シルクスカーフ¥32550

 “巻き物”フリークを自負する私が、次なる春夏物の展示会で心魅かれたのが、フランチェスカ・バッシのスカーフ。ここのところずっと“巻き物”といえば長方形のストールが主流でしたが、最近ではニュートラ時代を彷彿させる正方形のスカーフも復活のきざし。そんななかバッシのスカーフは、まるで異なるパターンのスカーフを4枚はぎ合わせたかのようなプリントが、いっそう新鮮で個性的なインパクトを放っていました。

左:スカーフのカラーバリエーションは3パターン。カラフルなのにポップすぎないデザインは、大人が取り入れやすいキレイ色。シルクスカーフ各¥32550
右:表と裏で柄が異なるスカーフ。こちらはもともと三角形なので、大きな角を前に垂らし、両端を首の後ろで結ぶだけで、手軽に可愛く巻けます。首のシルクスカーフ¥28350

 フランチェスカ・バッシは、シルク産地としても有名なイタリアのコモ湖を拠点とするブランド。デザイナーのフランチェスカは私と同世代のマダムなのですが、幼い頃から、ネクタイなどのシルク製品メーカーを営む父親の背中を見て育ったそう。ご自身もとても情熱的で、展示会のたびに来日し、自ら新商品をプレゼンテーションしてくれるのです。すべて彼女が描いているというスカーフのプリントは、大好きなアジア諸国への旅がインスピレーション源になることも多いとか。イタリアらしい発色の美しさと、日本人の感性にも響くヴィンテージライクなムードとの共存は、そんなところにも理由があるのかも知れませんね。

三角スカーフのカラーバリエーション。同素材のリボンをあしらったラフィアのクラッチもあるので、春からはお揃いで活躍させて。シルクスカーフ¥28350、クラッチ¥23100

 今回ご紹介したもの以外にも、デザインバリエーションは豊富。いまのところ、日本ではセレクトショップでの取り扱いになり、ラインナップもマチマチだそうなので、ピンとくるものと出会った時には、ぜひ逃さず手に入れてくださいね。

フィロロッソ
電話番号 03-5469-8733

河井真奈 (かわい まな)
数々の雑誌で活躍するスタイリスト。流行を加味したエレガントなスタイリングにファン多数。著書の「絶対 美人アイテム100」(文藝春秋刊)は好評のため近日中国でも発売予定。

Column

河井真奈の「デイリー名品」

CREAでもお馴染み、スタイリストの河井真奈さんが見つけた、日常で愛用できる「ファッションの名品」をお届け!

2014.02.06(木)
text:Haruko Murakami