キャトルカールのメレンゲ
I、IIよりもさらに革命的なのがメレンゲヨウコIIIです。卵白と同量以上の砂糖を加える点では、イタリアンメレンゲ(しっかりと泡立てたメレンゲに熱したシロップを加えたもの)の仲間と言えますが、熱くしたシロップを使うわけではありません。
卵白と砂糖の割合は1:1。まず、卵白を軽くほぐしてから離水寸前までいっぱい泡立てます。フワフワになったところで半量の砂糖を加えて溶かし、また泡立てます。残りの砂糖を数回に分けて加え、溶かしては泡立てるを繰り返します。“恐ろしい”というのは恐ろしいほど泡立てなければならないからです。また、砂糖を加えるタイミング(卵白が離水寸前のフワフワの状態の時に入れること)を誤ると、甘ったるいだけのお菓子ができてしまう危険性もはらんでいますから要注意。
このメレンゲヨウコIIIはキャトルカールに使っていますが、バターやチョコレートがたっぷり入った、ねっちりした生地でも、このメレンゲと上手く合わせていけば、喉をくっと通り過ぎる時に快感がある、軽やかなお菓子が作れるはずです。
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りんごのフロール・オレンジのケイク・栗のタルト・キャトルカール・矢羽根のフロール・杏のケイク・洋梨のタルト・ガトーショコラ・フルーツケイク・カラメル作り
2012.05.11(金)
text:Yoko Tsuda
photographs:Tamon Matsuzono