フロールのメレンゲ

とろ~りと潤いがキープされたメレンゲヨウコII。ホイッパーで筋が描けるのができあがりの目安

 フランスで習ったメレンゲは主に水分を抜くための手立てでした。フランスではフワフワした泡を作り、粉と合わせて焼くことで水分を逃がし、後からシロップなどで水分を足して埋めます。配合はこのようなフレンチメレンゲと同じですが、水分に関しての考え方がまったく違うのが、フロールに使うメレンゲヨウコII。砂糖の量は卵白の半分。ポイントははじめから卵白に砂糖を全量加え、よく溶かしてから泡立てることです。これがメレンゲヨウコIとの大きな違いです。

 昔、よく「メレンゲを作る時、最初に砂糖を加えると泡立ちません」と言われました。まず、卵白を必死に泡立て、8割程度泡立ったら安定させるために砂糖を入れ、常套句“角がピンと立つぐらい”のかたさまで泡立てなさいと。このメレンゲは、それらを何一つ守っていません。できあがりの目安はピンと角が立つのではなく、とろりと筋が描ける状態。従来の泡立て方だと水分がゼロになってしまいますが、この状態で止めれば卵の水分が程よく残るため、焼いた時にきめの揃った気泡ができます。フロールのふんわり感とのどごしのよさの秘密はこのメレンゲヨウコIIにあるのです。

とろ~りと潤いがキープされたメレンゲヨウコII。ホイッパーで筋が描けるのができあがりの目安

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2012.05.11(金)
text:Yoko Tsuda
photographs:Tamon Matsuzono

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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