名門ホテルとはかくあるべきか

ホテルの敷地内には、3棟のリヤド(邸宅のようなしつらえで、モロッコにはリヤドの宿泊施設が多い)も用意されている。さらに、モロッコ的な空間を味わいたいというゲスト向き。

 ラ・マムーニアには209の客室と上の写真のようなリヤドが3棟。800人のスタッフが働いている。客室が200室を越えると、どうしてもきめ細やかにとはいかないものだが。

 かつて世界の7大ホテルのひとつに数えられ、数々の賞を受賞している名門ラ・マムーニアは、さすがだった。

 用意されているしつらえからサービスまでが、気持ちよいほど徹底している。それも過不足なく、とってもクールに。そう、冷たい感じではなくて、このホテルで働いていることのプライドを感じさせるクールさとでもいうのかな。インティメートで感じいいのだけれど、でもベッタリじゃないサービス。それがとても居心地よくしてくれる。

ホテルの名前の由来になっている美しい庭園では、宿泊客用のフルーツやハーブもつくっている。ここで採れるオリーブオイルがまた、美味しい。
庭園の真ん中にはティールームがあって、もちろんモロッコ名物ミントティーがいただけます。

 いろいろなホテルのジェネラル・マネージャーにインタビューする機会があると、会話がはずんだら必ずする質問がある。「世界でどこのホテルが好きですか?」。もちろんシティホテルやリゾートホテルの違いもあるので、これ、なかなかの難問なのだが、過去、ラ・マムーニアと答えた人多し。それだけホテリエにとっても素晴らしく価値のあるホテルなのだろう。

モロッコ、とくにマラケシュでは、ガイドの質が取り沙汰される。私も懲りた経験アリ。でも、ホテルで手配してくれたガイドは、キックバック狙いなど感じさせない良質な人だった。写真は、メディナ一大きいジャマ・エル・フナ広場。
メディナのハマムの釜焚き職人のモハメッド・スダニさんはミュージシャンでもある。この釜焚き場には、以前にも来たことがあるのだが、今回のガイドのおかげで演奏までしてもらえた。
コンシェルジュに頼むと、気球の手配もしてもらえる。1フライト250ユーロ。早朝、茫漠としたマラケシュ郊外で、アトラス山脈の向こうに見える日の出が素敵。

La Mamounia(ラ・マムーニア)
所在地 Avenue Bab Jdid،, Marrakech
電話番号 05-2438-8600
https://www.mamounia.com/

【日本での予約・問い合わせ先】
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド

フリーダイヤル 0120-086-230

2018.04.07(土)
文・撮影=大沢さつき