ムーンケーキの種類は無限大!

 マレーシアのムーンケーキの特徴は3つあります。まず、餡の種類がとてつもなく多いこと。中国風に、洋風に、マレーシア風も加わり、こんなものまで! と感動するバラエティの豊かさです。

マンダリンオリエンタルホテルのムーンケーキ。これは上品なミルクティー味。(写真提供:KENNYasia)

 たとえば、「はすの実餡」「あずき餡」「黒ごま餡」「緑茶餡」「緑豆餡」といった定番の味から、「チョコレート餡」「カプチーノ餡」「クランベリー餡」といった西洋タイプ。さらに「ココナッツ餡」「パンダン風味」といった南国マレーシアらしいもの、そして「ドリアン風味」といった、もはやムーンケーキに何の関係があるの? と思うものまで。

 この豊富な餡のフレーバーに加えて、塩漬けにしたアヒルの卵の黄身入り、黄身なしのバージョンがあり、もうどれを選んでいいのかわからなくなるほど多彩です。

 2つめの特徴は、デザインに凝っていること。スターバックスのように店のロゴ入りだったり、花を模っていたり、人気アニメのキャラまで。立体的な見た目を型で繊細に作りこむのは、ムーンケーキの醍醐味です。

2013年に販売されたキャラ形のムーンケーキ。フレーバーがそれぞれキャラクターの性格に合っているような……。

 そして3つめは、餡を包む皮にいろいろな特徴があること。米粉で作る求肥のようなやわらかな皮の“スノウ・スキン”。要冷蔵の冷たいまま食べるムーンケーキで、まるで大福のような食感。

一般的なムーンケーキは2~3カ月ほど日持ちがするが、スノウ・スキンは5日ほど。

2017.10.18(水)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)