誰からも信頼され
可能性を感じてもらえる役者になりたい

――実際に「パタリロ!」の出演依頼が来たときの感想は?

 僕は原作の世代ではないんですが、長年愛されているキャラであり、かなり非現実的なコメディなので、稽古に入るまでは不安でした。でも、「ついに座長の話が来た」ということのプレッシャーの方が強かったかもしれません。「押忍!!ふんどし部!」のときに自分にギャグセンスがないことに気付かされていたので、演出の小林顕作さんに寄り添って、試行錯誤してやりました。座長としてはまだまだだったと思いますが、お客さんから好評を得て、来年には続編が決まったことで、スゴい自信に繋がったと思います。ただ、今度は余裕を持ってやりたいですね。

――今後、三十代に向かって、どのような俳優を目指していきたいですか?

 制作側の方には「加藤諒がこういう役をやったら、面白いんじゃないか?」と言ってもらえるような、お客さんには「加藤諒が出ているなら、絶対に面白いだろう」と言ってもらえるような、みなさんから信頼されたり、可能性を感じてもらえるような役者になりたいです。性別もそうですけれど、役にとらわれず、フィールドにとらわれずに、バラエティーも声優も欲張りにやっていきたいです。憧れは同じ事務所の古田新太先輩です。

加藤諒(かとう・りょう)
1990年2月13日生まれ。静岡県出身。00年、当時10歳で出演したバラエティー番組「あっぱれさんま大先生」でデビューし、個性派俳優として、映画・ドラマ・CM・舞台などで活躍。16年の舞台「パタリロ!」では初座長を務めたほか、さまざまなバラエティー番組でも活躍。

PARCO&CUBE 20th present「人間風車」
近所の子供たちに奇想天外な童話を披露する、売れない童話作家の平川(成河)。子供たちははしゃぎ、親からはクレームのなか、童話の主人公になりきる奇妙な青年・サム(加藤諒)が現れる。ある日、ひょんなことからTVタレントのアキラ(ミムラ)と知り合う平川だが、その出会いは彼の作風に大きな変化をもたらしていく。
【東京公演】2017年9月28日(木)~10月9日(月・祝) 東京芸術劇場プレイハウス
【高知公演】2017年10月13日(金) 高知県立県民文化ホール・オレンジホール
【福岡公演】2017年10月18日(水) 福岡市民会館・大ホール
【大阪公演】2017年10月20日(金)~22日(日) 森ノ宮ピロティホール
【新潟公演】2017年10月25日(水) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
【長野公演】2017年10月28日(土) ホクト文化ホール・中ホール
【仙台公演】2017年11月2日(木) 電力ホール
http://www.parco-play.com/web/play/ningenfusha/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2017.10.06(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖