ティーンを夢中にさせるサウンド作り
――デビューミニアルバム『Variety』の収録曲「StaRt」が現在「メリット シャンプー」のCMに使われているのにも、今の「ミセス」の勢いを感じます。
新曲じゃなくて、2年前の自分らのデビュー曲がTVから流れてくるのも変な感じですよね。自分たちのことを気にかけてくれたり、いいなと思ってくれたりするのは、どんなタイミングでも嬉しいことですから。嬉しくてハッピーな気持ちだけど、こっ恥ずかしいです。じつは「StaRt」と新曲「On My MiND」はとても関連性があって、「On My MiND」は当時レコーディングで使っていたアイリッシュ楽器や、曲の速さであるBPMとかが、「StaRt」の楽曲の音作りに寄せているというか、ほぼ一緒なんです。それに、答えを探していく原作ということもあり、デビューから2年経った自分たちも、新たな答えを探すような感じで、「StaRt」の形態を借りて、新曲を作っていくという気持ちだったんです。
――ストレートな歌詞やキャッチーなメロディなどで、今や中・高生など、ティーンに絶大な人気を誇るバンドに成長しましたが、どのあたりから彼らを意識した曲作りを始めたのでしょうか?
いちばん最初からではなく、1stシングルの「Speaking」から、具体的に意識し始めたと思います。僕自身、小学生のときにMONGOL800を聴いていて、今でも決して褪せないというか、スゴく残っているんです。だから、音楽を聴き始める世代というか、思春期を迎える世代に作品を届けることができたら、それは尊いし、有り難いことだと思って、曲を書き始めたのがきっかけです。でも、とても敏感だし、サイクルが早いから、その世代に届かせることはスゴく難しいことだと思うんですよ。あえて心掛けていることは、音の多さ。5人のバンドなのにバグパイプの音が入っていたり、バンドといえど、僕はバンドマンありきの曲の作り方をあえてしてなくて、面白いと思った楽器はどんどん入れているんです。ほかにも情報量の多さだったり、BPMの速さだったり、若いコに面白いなと思ってもらえたらいいな、と意図して作っている部分はあります。
2017.09.01(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘