「紅白歌合戦」に
出られるようなバンドになる

――着実に、ライブ動員数やCDセールスで結果を出していますが、この短期間で、なぜここまで来ることができたと思いますか? 弱冠20歳ながら、しっかりしたヴィジョンを持った大森さんと関係しているような気がしますが……。

 言葉を選ぶのが難しいですね(笑)。結果を出せた理由のひとつは自分に自信があって、自分を信じてこられたからだと思うんです。たとえ、自信を持てなかったとしても、学校に行かないで曲作りしていたとか、無理矢理に自信を持てるような行動も取っていたし。とにかく自分がやりたいこと、なりたいことが明確だったし、努力を努力と思わず、楽しんでやっていたからじゃないでしょうか。僕については、7歳上の兄と14歳上の兄がいる環境だったことが大きいかと思います。小学生のときに友だちの家に遊びに行っても、隣で話しているお母さんの会話を聞く方が楽しかったぐらいですから(笑)。正直、中学に行かなくなった理由も、同級生と話しても自分の話が伝わらない感じがしたということもあるんです。最近になって、やっと同い年の友だちと楽しく話せるようになったんですよ。

――すでに日本武道館でのライブは射程圏内だと思いますが、「ミセス」としての今後の目標について教えてください。

 結成時からみんなで話しているのが、「紅白歌合戦」に出られるようなバンドになりたいということです。“紅白に出場する=誰もが知っている国民的アーティスト”というイメージなので、それは今でも変わりません。もうひとつ、海外でライブしてみたいという気持ちがスゴく強いです。ジャスティン・ビーバー、ワン・ダイレクション、マルーン5、ザ・ヴァンプスなど、音楽的な部分で海外から感化された部分はあるし、言葉が通じない分、音楽のエネルギーを感じてみたい気持ちはあります。最近、ライブがライブハウスからホール中心になって、物理的な、目で見える違いは感じているんですけれど、もちろんアリーナでも、スタジアムでもやりたいです。ただ、それは「紅白」と繋がっていると思うんですよね。

2017.09.01(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘