今回、ご紹介するローズベーカリーは、パリで人気なオーガニックのベーカリーです。パリに3店、イギリス、韓国、日本では丸の内に1号店ができて、吉祥寺、銀座にもオープンしました。私はときどき、丸の内店に行きます。

 丸の内店はコム デ ギャルソンの店舗の一角にあって、ちょっとだけ緊張するというか、ストイックな独特の空気感があります。

 そもそもは、このローズベーカリー、イギリス人のローズさんがフランス人の夫とともに、シンプルでナチュラルな食べ物を提供したくて、ほぼ10年前にパリでオープンしたのだそう。

 そのころから、日本でも「オーガニック」という言葉は普通に耳にするようになり、オーガニック料理の店も増えたと思うのですが、ローズベーカリーのものを食べると、「本来、オーガニックとは、こういうものですよね」とちょっと姿勢を正すような気持になります。

キャロットケーキ。飾りがいっさいないルックスが新鮮。クリームと生地の味のコンビネーション、抜群です

 キャロットケーキ(550円)の生地はしっかりとにんじんそのものの味がします。そして、上に乗せてあるクリームはこってり濃厚で、じゅうぶんに甘い。この組み合わせ、シンプルにおいしいです。

 オーガニックなスイーツって、味は今いちでも、これが体にいいなら仕方ない、みたいなイメージがありますよね。だけど、このキャロットケーキは、人工的に余計な手を加えないものは、こんなにもしっかりとおいしいということを“実物”で証明しているところがさすがです。

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2012.03.13(火)