今回ご紹介するのは、京都の老舗和菓子屋さん「末富」の「干菓子詰合」(3000円)です。

 生菓子のほかに、薄い麩焼きの間に梅肉をはさんだ「うすべに」というお菓子や、薄焼きの「野菜せんべい」も有名ですが、新年明けてすぐの今の季節に、ぜひ、おすすめしたいのが、この「干菓子詰合」。

この包装紙の絵は池田遙邨という日本画家の描かれたものだそう

 もらった人、差し上げた人、両方に同時に福が訪れそうといいますか、開運効果を感じるお菓子なのです。

 とにかく包み紙の美しいこと! 鮮やかな水色に扇の模様はまるで舞妓さんの着物のようですね。折りたたんで大事にとっておきたい、乙女心にキュンとくる模様です。

 干菓子ひとつひとつも端正でほんのりとかわいらしく、あ~、京都のお菓子だなぁと思います。見ているだけでウキウキしてきて、なんだかいいことがありそうな気持ちがしてきます。

 そういう気持ちになると、本当に、いいことが起こるもので……。いいスイーツって、そんなふうに幸運を引き寄せる力がある気がします。食べる“縁起物”ですね。

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2011.12.29(木)