わかる人に差し上げたい、オトナの手土産

 ところで、私は長年、“干菓子”というものは、お菓子なのかオブジェなのかわかりませんでした。

 みなさまの中にも、「味がしない」「そのわりには高い」と思うかたもいらっしゃることと思います。

 けれども私は、末富の干菓子で、干菓子ならではの、ほわんとした甘さの魅力を知りましたね。とびきり上等の和三盆糖でなければありえない甘み。これが京都の味。さすが上品。そして、さりげなく高価。

 オトナになるっていうのは、こういう手土産を持っていけるようになるってことなのね、と思います。

干支の焼印があるお菓子は、味噌あんが薄くはさんであります。緑のは早蕨に見立てた、きな粉のお菓子

 それと、干菓子の魅力は日持ちすること。忙しいときにあわてて買いに行かなくても、前以て用意しておけるからいいですね。年末に「よいお年を」と差し上げるのもいいし新年なら、いわゆる“松の内”だけに限らず、1月の前半の手土産にもよいと思います。

「きっと、いい一年になりますよ!」という気持ちをこめて、とびきりの笑顔と一緒に、差し上げましょう!

Column

肱岡香子のSweetsな手みやげ

フードスタイリストでお菓子大好きな著者の、豊富な“手みやげ”経験を元に、季節に応じた見目麗しいお菓子の数々をご紹介します。

2011.12.29(木)