オールドタウンでカフェ文化を堪能

 次はオールドタウンに行きましょう。以前紹介したローカル・カフェチェーン「オールドタウン ホワイト コーヒー」の元祖の店が、この町にあります。昔ながらのコーヒー店で、ホッとひと息。エッグタルトや麺料理などの軽食もおいしいです。

丸いすに座れば、隣の人とおしりが触れ合うほどの小さなコーヒーショップ「南香(ナムヒョン)」。
コーヒーをテイクアウトしてみた。持ち手付きのビニール袋に直接コーヒーをいれ、ストローがさしてある。

 ちなみに、マレーシアのコーヒーは甘いのが基本型。暑い気候によく合います。ブラックが飲みたい場合は、「コピ・オー・コソン」と注文してみてください。

 このようにコーヒーをよく飲むイポーでは、カフェ文化が発達。地元の人がコーヒーと一緒に注文するのが、カスタードプリンです。他の地域ではあまりみかけないイポーならではのスイーツ。食堂やレストランのメニューにかならずあります。

なめらかな食感で卵の味が濃厚。なつかしい甘さで、旅の疲れを癒してくれる。

 そうそう! 果物ポメロもぜひ! イポーには農園があるので、町のいたるところで、ポメロが売られています。グレープフルーツのような爽やかで、さっぱりとした甘酸っぱさ。常夏のマレーシアに、ひとときの清涼感をもたらしてくれます。

ポメロには3種類の味があり、実の色で見分けることができる。写真のようなオレンジ色は、甘酸っぱく、いちばん好まれる味。黄色は甘く、薄い色は酸っぱい。
ポメロは、皮が緑から黄色になってきたら食べごろ。

 食いしん坊にはたまらない町、イポー。けっしてきらびやかではない、いってみればアジアによくある地方都市なのですが、その都会過ぎず、田舎過ぎないサイズ感がちょうどいいんです。クアラルンプールからのアクセスも便利なので、ぜひ、次の旅の候補に入れてみて下さい。

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://www.malaysiafoodnet.com/

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2017.04.07(金)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)