究極のレシピが生む「しみこませパン」

 食事の幸せは「左手のごはん」があって完成するとさえ思っている私が、この醤油だれステーキをごはんなしで許している理由は、パン。まあ、予想がつく展開ですね。

 しかし、このパンが只者じゃない。いつだったか、あまりの私の炭水化物欲を見かねたおじさんが「パンならあるよ」と言い出したのが出会い。登場したのは、スーパーやコンビニで売っている袋入りのバターロールだ。

これが2人分、値段不明。家でもやりたいが、それではあんまり欲望に流されて生きてしまうので控えている

 袋からパンをむんずとつかみ出すと、サイドから切り目を入れる。厚さ5mm以上ある角切りバターを切り出し、ひとつひとつにはさみ込む。もうここで美味しいんだけど、それらのパンをボウル型のざるにのせ、湯気の上がった鍋の上におき、上にお皿をのせてぎゅうっと圧縮! つまり簡易せいろ蒸し。もう全部に(笑)をつけたいくらいのラフな作業である。そしてしばらくすると、しわしわになりつつもふわっふわの溶けバター内蔵バターロールの完成だ! ああ~っ!

 この品位もなにもないコンビニパンが、まあよく肉汁&たれを吸う。パン自体もバターが染みているのでかなりウェッティだ。しかし、こんなに美味しいものはなかなかない。なんというか、欲深い。

 なんてことを大雪のニュースを見ながらうっとり思い出していてごめんなさい。あ、パンはいつもあるとは限らないのでご了承を。

 もうひとつ裏技をご紹介すると、「ひよこ」の近くの大通りに「ステーキガスト」ができた。ライバル!? と思いきや、私はここの画期的な活用法を思いついた。ここはファミレスなのでお茶だけでも利用できる。待ち合わせを「ステーキガスト」にすると、ドリンクバーでお茶を飲みながら、ひたすら肉の匂いに包まれる。これが肉欲を誘い、よりいっそう肉気分を高めてくれるのであった。

 

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2012.02.23(木)