ジャングルの中の
ワイルドな「パクアレロッジ」

ラフティングど素人を束ねての川下り。それも難易度がかなり高い川……。熟練ガイドの腕の見せどころだ。

 ロッジの車には3組6人のゲスト。途中、朝食を食べ、さてパクアレ川に到着した。ここからロッジまでは、基本ラフティングにて移動(どうしてもということであれば車での移動にも応じてはくれるが、川下りを楽しまずしてココに来た意味はナイ)。

 「ラフティングなんてやったことないけど、大丈夫?」と事前に問い合わせたところ、「80歳の女性でもラフティングで来られましたヨ」の返事。なら、やってみるかということで、挑戦です。

 最初に10分ほど基本を習い、即実践。必死にパドルを漕いでいたので、30分ほどの川下りはアッというまに終わった。ここで「意外にかんたんじゃん!」と思わせるのが、ロッジのネライ。じつは帰路のラフティングは3時間以上もかかる大冒険で、まぁ結果面白かったのだが……なかなかスリリングな体験だった。

おおっ、ハンモックもあって素敵と思ったのも束の間……。

 熱帯雨林のジャングルの中、ロッジに案内される。創業から20年以上経っているので新しいとはいえないが、大きな窓にも網戸がバッチリ張られて虫の心配もなさそうだ。

 と、ところがです……メガネをかけてよく見ると、窓にガラスがナイ! 網戸だけなのだった。

 サイトには「各ゲストロッジには電気がありません。カメラやスマホの充電はレセプションでできます」云々とあったので、キャンドル生活は予想していたのだが、こ、これは……。さすが「ナショナルジオグラフィック」が世界のユニークロッジに選んだだけのことはある。とてもとてもネイチャーなロッジです。

ロッジは電気もガラス窓もないワイルド仕様。でも、蚊帳はロマンチックです。

 まあ、郷に入ってはナントヤラで、毎晩の豪雨の音も2泊目には気にならず、3泊目には熟睡。人間の適応力とは素晴らしいものである。

人気者のトゥーカン(オオハシ)。「パクアレロッジ」では3種類のトゥーカンが見られるらしいのだが、今回は2種類のみ出現。デモ、違イガワカラナカッタ。カラスほどの大きな鳥だ。

 こんな環境なので、バードウォッチングはロッジの敷地内でこと足りる。それもレセプションの辺りをウロウロするだけで、「チョコボール」を彷彿させるオオハシを観察できる簡便さ。ハチドリにいたっては、食事をしながら見ることができるという具合。スゴイことですよ、これは。

 このロッジをつくったオーナーは、事業をラフティングの会社からスタートしたのだという、なるほどな前身。

 24歳で起業して第一の夢を実現させると、次なる夢のロッジをオープンさせる事業に着手。1995年の創業当時14ヘクタールほどの敷地に、4棟のロッジを建てた。それがいまや340ヘクタールの広大なエリアに18棟のロッジがあり、新たに2棟のロッジを建設中だ。

リンダビスタ・スイートのお洒落なバスルーム。ワイルドとはいえラグジュアリー・ロッジです。

 ロッジは敷地内の自然を保護する役割も果たし、希少なジャガーのモニタリング・プログラムもサポートしている。現在、10頭のジャガーほか、さまざまな動物が確認されているという。

 コスタリカの人たちは、自然が資源だということの認識度が高い。日本も見習ったほうがいいよねということがたくさんあった。

よく見ると鳥のお食事中。トカゲが好物のようで……。
キツツキって、ほんとに木をトントンしているという、こんな光景にも出会える。で、ジップラインはじめターザン的アクティビティが、びしょ濡れになりながらもとても楽しい。

Pacuare Lodge(パクアレロッジ)
所在地 Pacuare River, Turrialba Siquirres, Limón
電話番号 4033-0060
http://www.pacuarelodge.com/

2017.02.27(月)
文・撮影=大沢さつき