●島津さんのおすすめ店・その3
鎌倉ならではの多様性を体験できる「+SOBA BAR ふくや」

夜のメニューも見逃せないけど、今回ぜひおすすめしたいのが朝定食。メニューは日替わり。この日は、さんまの煮付け、きのこの煮物、山形名物のダシ、山菜と秘伝豆の煮物、大根と長芋の味噌汁、炊きたてのご飯。さらに朝定食だけの特別甘味、そば茶プリンもつく。味噌汁は、山川さんの実家のお母さんが漬けた味噌を使っている。これだけ充実していてこの料金はお値打ち。山形料理らしい、濃淡のある味わいが朝の活力を与えてくれる。特別な朝ごはんをいただいて心地よく一日をはじめたい。朝定食 950円。

 グラフィックデザイナーだった山川正芳さんが、地元・山形のことを知ってもらいたいとオープンした「ふくや」の2号店がこちら。料理はもちろん温和な人柄が人気の実力派料理人、山川さんが作る料理を求め、今日も様々な人々が集う。

「+SOBA BAR ふくや」の部分を含む「Hostel YUIGAHAMA」全体の空間ディレクションは、横須賀にアトリエを持つインテリアスタイリスト、石井佳苗さんによるもの。施工デザインは、葉山を拠点に活躍する建築リノベーションの匠「CALLAC」が担当。風合いのある造作のカウンターはどこか懐かしい。

「ここも鎌倉ならではの多様性を体験できる貴重な場所。地元で知らない人はいないほど愛されていた『ふくや』さんの2号店というだけあって、グルメの間で話題ですね。『ふくや』は山形を中心とした東北のおいしい郷土料理とお酒のお店。他県の料理が愛されるのも、ここ鎌倉らしい。『ふくや』さんのおいしい料理(とお酒!)を媒介として、海外と日本、ローカルと旅人、古いものと新しいものがミックスされる。そういうスケールの広さと深さが鎌倉の魅力だと再認識させられます」

「Hostel YUIGAHAMA」の2階にはダブルとツインの全部で5部屋を用意。写真はダブルの個室。ダブルルーム 1泊1室 13,000円~、ツインルーム 1泊1室 14,000円~。ほか、ドミトリー(男女共用2段ベッド)1泊 3,500円。
ゲストが集う談話室。家に招かれたような寛げる空間。元は蔵だった建物なので天井が高く、開放感がある。

+SOBA BAR ふくや

人力車の倉庫だった蔵を、鎌倉の不動産プロデュース会社「エンジョイワークス」がリノベーションし、「Hostel YUIGAHAMA」として2016年にオープン。その1階に、ゲスト以外の人も利用できる食事処として併設されているのが「+SOBA BAR ふくや」。朝は定食、昼は山形そば、夜は山形の郷土料理と日本酒のバーとして、店舗形態を変えてオープン。

所在地 神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-5-16
電話番号 0467-25-2227(「+SOBA BAR ふくや」直通)、0467-81-4242(「Hostel YUIGAHAMA」代表)
営業時間 朝食 7:30~10:00、ランチ 11:30~15:00、カフェタイム 15:00~18:00、バータイム 18:00~22:00(カフェタイムはお蕎麦の用意なし。お酒はあり)
定休日 無休(年始など臨時休業あり)

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