●島津さんのおすすめ店・その1
ビオワインの素晴らしさに開眼した「ビーノ」

左:阿部さんが総菜屋時代から作り続けている看板メニュー。動物性の食材を使わず、大豆のグルテンミートとイタリア産白インゲン豆で作ったパテは、ヘルシーながらやさしくも奥深い味わいの一皿。「白インゲン豆とピスタチオのパテ」515円。
右:パテに合わせて選んでくれたワインはイタリアの「Masieri(マシエリ)」。ミネラル豊富な火山性土壌の畑で、自然農法で栽培されたぶどうを野生酵母のみで発酵させたワイン。口にすると、すーっとしみこむような余韻は、ここ鎌倉の雰囲気にも合う。阿部さん曰く「甘くないポカリスエットのようなワイン」だとか。

 binot(ビーノ)のシェフ兼オーナーの阿部剛さんは、島津さんから鎌倉への移住の手ほどきをうけた一人。当初は総菜屋としてスタートするが、東日本大震災を機に、以前より計画していた就農を実現するため、昼は畑仕事に出て夜はワインバーを営むようになった。

シェフでオーナーの阿部剛さん。敏感な体質のせいで以前はワインを飲めなかったが、知り合いのソムリエに勧められたビオワインなら体調を崩すことなく飲めたのがきっかけで、その魅力に目覚めたという。

「ビオワインとシェフの阿部さんが作るやさしい味わいのおつまみのお店。ここでビオワインと出合い開眼しました。ワインは阿部さんにお任せしていますが、いつもはずれがなくおいしい発見があるのが楽しい。阿部さん家族の移住も手伝い、お店の物件探しから壁のペンキ塗りまで指南したのが懐かしい思い出。今では私の妻が事務局を務める、覚園寺のワインイベント『terra! terra! terra!』でご一緒したり、長谷別邸で催される結婚式やパーティのケータリングをお願いしたり、多方面にわたる付き合いです」

binot(ビーノ)

料理同様、阿部さんの持つ優しい空気感に惹かれるのか客層も自然体で自由な人が多く、居心地がよい。駅からのアクセスもよいので、旅の“シメ”に立ち寄りたい。

所在地 神奈川県鎌倉市小町1-5-14
電話番号 0467-50-0449
営業時間 17:00~22:00(L.O.)
定休日 日曜・祝日 
※満月の日は「満月ワインバー」になる

2016.11.12(土)
文=吉村セイラ
撮影=深野未季