クジラを上手に撮影するコツ その1
「チャンスを逃さぬよう集中力と腕力を鍛える」

定番! クジラの尾。(85ミリレンズ/F11/1/500秒/ISO800)

 海で一番大きな哺乳類のクジラといえども、大きな海原で見ると小さく見えてしまう。

 そこでレンズ選びは迷うところだ。迫力ある瞬間を狙うなら80ミリ以上のズームレンズは欲しいところ。一眼レフカメラを持っていない人でも、今ではミラーレスカメラやコンパクトカメラについているズームレンズで十分撮れる。

珍しい顎出し。(135ミリレンズ/F11/1/800秒/ISO800)

 そしてクジラは神出鬼没。どこに顔を出すか、どこでジャンプするかわからない。ジャンプは一瞬の出来事だから、ある意味スポーツ写真と同じなのである。

 そこで一番重要なのがカメラの設定。まずはシャッター優先オートのSに設定する。感度はその日の天気にもよるが、ISO400以上に設定して速いシャッター速度が得られるようにしておこう。もしISOオートという機能がついているカメラならそれに設定するとよいだろう。Sに設定したら次はシャッター速度選び。1/500秒以上の速いシャッター速度に設定しよう。

ジャンプの瞬間。(80ミリレンズ/F16/1/1000秒/ISO800)
ジャンプの頂点。(80ミリレンズ/F16/1/1000秒/ISO800)
ジャンプ終了時。(80ミリレンズ/F16/1/1000秒/ISO800)

 そして、あとはカメラに任せてクジラの飛び出しそうなところをキョロキョロと見回す。この行動は集中力と忍耐力が必要で、おまけにカメラを常に構えているための腕力も必要なのだ。そして、いざクジラが出現したらシャッターを迷わず連写せよ!

2016.03.27(日)
文・撮影=山口規子