CREA WEBの好評連載コラム「世界極楽ビーチ百景」で海外の至福ビーチ事情をレポートし続けているビーチライター・古関千恵子さんが、特別篇として国内の厳選ビーチをおすすめします。三浦、伊豆、房総といった首都圏からのアクセスに優れた場所から、沖縄の離島や小笠原といったスペシャルな南国まで、日本が誇る10の絶品ビーチをご紹介!

#003 波照間島(沖縄県)

遠浅の海の美しさは思わず歓声が漏れるほど!

ニシ浜からは沖に西表島やダイビングスポットの仲の神島を望みます。砂をよってみると、トゲトゲの先端が丸みを帯びた太陽の砂を見つけることも。

 人が暮らす日本最南端の島、波照間島。

 島の名前の由来は、“果てのうるま(サンゴ)”、つまりはじっこのサンゴの島という意味。“波照間”は当て字だそうですが、波間に輝く島を思い起こさせ、ステキですね。

 島は自転車で回れるサイズです。サトウキビ畑の間の一本道を走っていると、畑を渡ってくる風が気持ちいい。

あちこちでヤギの親子が放牧(?)されているのを見かけます。

 木陰で休んでいる数組の親子のヤギを見かけました。親はロープで木につながれているけれど、子ヤギは野放し。子ヤギは親から離れないので、問題ないのだとか。

 メインビーチのニシ浜は、夏になると駐輪場にレンタル自転車がずらりと並びます。

 少し高くなったビーチの入口から海を見渡すと、その美しさに思わず歓声が漏れてしまうほど。遠浅の海がはるか向こうまで広がり、リーフを越えたところで様々な青が混ざり合っています。

日本最南端之碑は波照間島へ行ったら、ほぼ100%の観光客が訪れるスポット。

 スノーケリングの3点セットを付けて水中を覗くと、砂紋が美しい白砂の海底がどこまでも広がっています。まるでサイダーの中を泳いでいるよう。鮮やかなイエローのヨスジフエダイが目の前を通り過ぎ、岩陰を覗くとアジアコショウダイが隠れていたり。リーフの切れ目まで距離はありますが、苦にならないから不思議です。

 ちなみに、ニシ浜のニシとは地元の方言で“北”の意味。北がニシ、では西は? 太陽が水平線に入ることから、“イリ”。だから、“いりおもて島”は”西表島”なのです。

2015.07.18(土)
文・撮影=古関千恵子