CREA WEBの好評連載コラム「世界極楽ビーチ百景」で海外の至福ビーチ事情をレポートし続けているビーチライター・古関千恵子さんが、特別篇として国内の厳選ビーチをおすすめします。三浦、伊豆、房総といった首都圏からのアクセスに優れた場所から、沖縄の離島や小笠原といったスペシャルな南国まで、日本が誇る10の絶品ビーチをご紹介!

#001 小笠原 父島(東京都)

185年前までは無人島だったワイルド・サウス

天然のカモミールの花が揺れる初寝浦展望台。眼下のサーフスポット、メノウポイントの波チェックをする場所。

 東京から南南東へ約1000キロ。東京・竹芝桟橋からおがさわら丸に乗って約25.5時間。飛行機ならば地球の裏側にだって行ける時間をかけて目指すのが、同じ都内にある小笠原諸島。ここはまるで世界から切り取られたような、独自の自然や文化、人々が暮らすワイルド・サウスな楽園です。

 小笠原の英語名はBonin Islands。およそ185年前まで無人島だったことから、むじん→ぶにん→ぼにん、そしてボニン・アイランズに変化していったのだそう。

 6500万年前に誕生して以来、一度も他の島や大陸と陸続きになったことのない小笠原。鳥や風、海流が運んだ動植物たちは、大海に浮かぶこの島々を新天地として根を張り、生を営み、独自の進化を遂げていきました。だから固有種が驚くほど多く、樹木にいたっては7割がそうだとか。夜の森の中でぼおっと緑に光る、世にも不思議なキノコ、グリーンペペの存在も、訪れてはじめて知った生物のひとつです。

小笠原のオカヤドカリは固有種で、天然記念物。運転は小さな動物たちの存在に気を付けて。

 島には大自然のカレンダーに則って、海の生物たちもやってきます。2~5月はザトウクジラが子育てのために、5月下旬から8月上旬はアオウミガメが産卵に来島。一方、いつでもウェルカムなのがバンドウイルカたち。ドルフィンスイムでは好奇心いっぱいの彼らと一緒に遊ぶこともできます。

2015.07.11(土)
文・撮影=古関千恵子