山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

vol.3 ランギロア島(タヒチ)

世界中からハネムーナーが集結する楽園アイランド

ランギロア島から船で1時間ほどの無人島へ。島の植物は生命力が強い。ヤシの木の茂り方が尋常ではない!

 青い空、青い海、輝く太陽、焼けた肌の匂い。夏はもうすぐそこ! そこで今回は海写真の撮り方をお教えしよう。「え! 海? 海なんて海に向かってシャッター押せば誰でも撮れるじゃん!」と思っている方、必読。

ベネズエラからやってきたカップルも今、流行りの自撮り棒で撮影中。ブルーラグーンが似合う小麦色の二人。

 そこで行ってきましたランギロア島! 南太平洋はフランス領ポリネシアのソシエテ諸島にあるタヒチ島から、エア タヒチの飛行機に乗り換えて1時間ほどで到着するこの島は、トゥアモトゥ諸島最大の環礁であり、世界各国からハネムーナーがやってくる楽園なのである。

ヤシの木で作ったテーブルカバーや葉っぱで作ったお皿がフルーツの色を引き立てる。

 成田空港からタヒチ島の首都パペーテ・ファアア空港への直行便の乗客はほとんどが新婚さん。機内の窓際2列席はすべてアツアツカップルの状況に、私は中央部の4席を使って「エコノミー式ファーストクラス(勝手に私がそう呼んでいる)」で爆睡(ふて寝)するしかないのである。

空港ではホテルのスタッフがジャスミンの花のレイを首にかけて歓迎してくれる。

 ふて寝すること11時間、空港に降り立つと目が覚めるほど眩しい太陽、ティアレという花の甘い香り、海からの潮風の匂い。その国独特の匂いがするから空港は面白い。さあ、潮風の匂いがやってくる方向へ海を撮りに行こう!

2015.06.21(日)
文・撮影=山口規子