海を上手く撮影するコツ その1
「構図・アングルはアイデア次第で無限大!」

誰かが脱ぎ捨てたサンダルをポイントにしてみると、画面上に遠近感がでてくる。

 海は平坦で、写真に撮ると単調になってしまった経験をした人も多いだろう。そこで構図が重要になってくる。

 一般的に構図は水平、垂直に3分割、2分割(通称、腹切り)、10分割など海と空の割合を変えることにより、安定感や奥行き感を表現できる。例えば空に面白い形の雲があったら空を2/3、海を1/3にする。また海面上にいい波や素敵な反射光を見つけたら、海を2/3、空を1/3にするなど変化を付けると構図が安定してくる。

低い位置から空の部分を多く入れると、ビーチの開放感が表現できる。

 また通称、「腹切り」といわれる2分割構図はよくないと教えている写真教室の先生もいるが、実はきちんとしたシンメトリーや画面の中に何か一つ主役がある時などはこのシンプルな2分割は大いに役立つのである。

2分割構図。「星野リゾート Kia Ora ランギロア」のインフィニティプールにて。
水中カメラで2分割構図。海水がミネラルウォーターのように透明だからできる技。

 また、カメラアングルは自分が上に手を伸ばした位置から地面までの間に無数にあることも覚えておこう。それでも高さが足らないときは堤防に上ったり、地面より低い位置から撮りたい場合は砂浜に穴を掘ったりしよう。アングルを変えることによって構図は無限に広がる。

 人生も同じこと。アングルを変えてみると、思い悩んでいたことが「なんだ、こんな小さなことだったのか」と思えたり、見えていなかった人の優しさが発見できたりする。

2015.06.21(日)
文・撮影=山口規子