#29 Rangiroa
ランギロア(タヒチ)
400もの島々からなる世界第2の巨大環礁
タヒチ島から国内線で約1時間、ツアモツ諸島に属するランギロア環礁。
“大きな空”を意味する“ライロア”が名前の由来のランギロアでは、その名のとおり、遮るもののない大きな空と海が広がっています。水平線が一直線に伸びるタヒチ。ボラボラ島やモーレア島のような、いわゆるタヒチのイメージの“緑の高峰とラグーン”とは違う世界が待っています。
世界で2番目に大きいとされるランギロア環礁は、およそ400の島々から構成されています。滞在のメインとなるアバトル村のある島は全長約10キロ、幅はわずか500メートルの細長い形をしています。島には椰子の木が縁取る一本道が走り、ところどころに野菜を並べたスタンドや教会、学校などが点在し、道路脇の木陰でおしゃべりに興じる島の人々を見かけることも。
橋でつながったお隣の島、ティプタ村では島の人々の暮らしぶりがうかがえます。スーパーマーケットでは、幸福そうに太ったタヒチアンが夕食の買い物ついでに、ここでもおしゃべり。人口は2000人ほどなので、みんな顔見知りのようです。
ランギロアの人々は旅行者に対してもオープンな心で接してくれます。ペットの子ブタに餌をやっている若いパパと娘に話しかけられたり、海辺で遊ぶ子供たちに囲まれたり。公用語がタヒチ語とフランス語なので、英語はお互い片言ながらも、気持ちは通じるものですね。
夕暮れ時、アバトル村からティプタ村へ向かう途中のティプタ・パスで子供たちが集まって海を眺めていたので、声をかけてみると、指差す波間に、なんと数頭のイルカたちが! 潮流がぶつかる場所に生まれたうねりを利用して、替わりばんこにジャンプをして遊んでいるんです。飽きることなく波と戯れるイルカたち、それをいつまでも見ている私たち。夕日の中で、緩やかに時間が流れていました。
2014.10.25(土)
文・撮影=古関千恵子