CHAUMET
「リアン・ドゥ・ショーメ」のピアス
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このところ、耳元のお洒落がどんどん進化してきています。例えば、縦長デザインのイヤーカフや、ピアスのキャッチ部分にデザイン性を取り入れ、裏側から見ても絵になるものなどが登場し、一大ブームになっています。
私も新しい提案をうまく取り入れていきたいなぁと思うのですが、大人の場合は、洋服とのバランスのさじ加減が難しいと感じることが多くあります。耳元は、面積は小さいのですが、顔に近いだけに印象に直結しますから、洋服はベーシックなのに耳元が最先端だと、ちぐはぐな雰囲気になりかねないので注意が必要なのです。
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トップス 157,000円/フランチェスコ スコニャミリオ(フランチェスコ スコニャミリオ オフィス)、デニムパンツ 25,000円/ジョン ローレンス サリバン(ストラスブルゴ)
最近は、ピアス穴を複数開けている人も多いですよね。今回、私が提案したいのは、ピアスをひとつの耳にダブルでつけること。エッジィな印象にならず美しくまとめるには、繊細かつ上質な輝きを選ぶのがコツです。「リアン・ドゥ・ショーメ」のクロスモチーフのように、主張はあるけれど上品で、洋服を選ばずつけられるデザインが最適。
今回は地金の色をあえて変えましたが、同じ色でも素敵です。ピアスそのもののデザインではなく、つけかたを工夫することで、いつもとは違う表情を楽しむことができるのです。
絆を象徴するクロスモチーフと、そこから流れ落ちる一粒ダイヤモンドのピアス。仕草に合わせて控えめに揺れる極細チェーンが女らしい。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後、スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
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Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2016.03.28(月)
photographs=Masashi Ikuta(makiura office)
styling=Misaki Ito
hair=ABE(M0)
make-up=Mariko Shimada(Takahashi Office)
model=Estella Brons
text=Miwako Yuzawa
CREA 2016年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。