CHAUMET
ジョゼフィーヌのピアス
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ショーメは私にとって「パリ」そのもの。歴史を受け継ぐクラシカルなデザインに、どこか今を感じさせるモダンなエッセンスがミックスされ、高貴でありながらどこかマスキュリン。媚びない美しさを放つジュエリーは、パリの女に通じるようで、潔く格好いい。それが、顕著にあらわれているのがこの「ジョゼフィーヌ」コレクションだと思います。
中でも私が大好きなのはダイヤモンドの雫形モチーフが輝くスイングピアスです。涙を連想させる雫形が耳元で揺れる様は何ともドラマティック。喜びの涙も悲しみの涙も乗り越えて自らの人生を歩む女性の横顔に、これほどふさわしいジュエリーは他にないような気がします。
このピアス自体はとてもゴージャスなものですが、私はあえてドレスではなく、メンズライクな服とスニーカーのようなスタイルに、このワンアイテムだけを効かせるのが素敵だと思います。
自分の軸をしっかりと持つパリジェンヌの如く、心の本質を雫形のピアスに託しながら、前を向いて歩んでいく――このピアスは、そんな「大人の女」の美しきパートナーなのです。
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1780年創業、ナポレオンを筆頭に王侯貴族御用達のジュエラーとして世界に名を馳せるショーメ。ナポレオンの妻、ジョゼフィーヌ皇妃に贈られたティアラをモチーフにしたこの「ジョゼフィーヌ」は、メゾンを代表するコレクション。伝統的なハイジュエリーの技法を継承したクラシカルなデザインに、厚みのある地金を使用した艶やかな質感がモダンな趣を添える。耳元で小さく揺れるダイヤモンドの光が表情を美しく照らす、ドラマティックなジュエリー。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
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Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2014.10.31(金)
photographs=Masashi Ikuta(makiura office)
styling=Misaki Ito
hair=Koichi Nishimura(angle)
make-up=FUSAKO(ota office)
text=Miwako Yuzawa
CREA 2014年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。