CHANEL
コメットのリング
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ジュエリーには、花や動物、果物などをモチーフにしたものが数多くありますが、実は上手につけるのは意外と難しい。 単純に可愛いからつけるのではなく、モチーフは自分のアイコンとして考えるべきというのが私の持論です。私にとって、スターは自分を託せる数少ないモチーフ。願いを叶えるというロマンティックさと、どこか気持ちを解放してくれる辛口のイメージが好みで、昔から少しずつ集めています。
中でも、シャネルの「コメット」は憧れのジュエリー。スターは、ともすると子どもっぽく見えてしまうことがあるのですが、「コメット」は、品格がありながら遊び心を併せ持つ大人のためのジュエリーだと思います。
モチーフジュエリーをつけるときは「さりげなく」が基本。例えば長い髪が風にふかれたときにスターのピアスがふと覗いたり、シンプルなセーターに星のリングをひとつ……そんなふうに、素顔が垣間見えるようなつけ方が素敵だと思います。かくいう私も、白髪に「コメット」のダイヤのピアスをつけたおばあさんになれたらいいなぁと、今から密かに夢見ています。
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自分のアイコンになるモチーフジュエリーこそ、上質なものにこだわって、生涯愛せるジュエリーを見つけたい。シャネルの「コメット コレクション」は、星が燦然と輝くものから、さりげなくあしらわれているものまで幅広く揃う。自分だけのスターを探して。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
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Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2014.09.19(金)
撮影=生田昌士(makiura office)
スタイリング=伊藤美佐季
ヘア=Koichi Nishimura(angle)
メイク=FUSAKO(ota office)
モデル=Martyna
構成・文=湯澤実和子
CREA 2014年10月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。