冷蔵庫のお片付け! 2年前のものが…
さて、2025年も押し迫ってきた。12月に入ってからというもの、意識して冷凍庫やストックのチェックをしている。買ったのが古いものや半端に余ってるものを使い切ろうとしているわけだが、これがなかなか心臓に悪い作業でもある。
つまりは賞味期限があまりにも前だと「ドキ―ッ……!」とするわけですね。スパイスとか黒ごまとか、物産展で勢いまかせに買った瓶詰ものなど、時を翔ける速度が特にすさまじく思えてならない。久しぶりにトムヤムクン食べたいな、と思って買ったペーストの裏面表示から、あの日あのときの気持ちは2年以上も昔だったことが思い出されてくる……。
「こんにちは、2年前の私」とか話しかけて現実逃避もしたくなるが、そんなことしてる場合じゃない。「食べもの無駄にして」「これでいいのかフードライターが」といった自責の念が次々と湧いてくる。台所の片隅でひとり「すみません……」と謝りながら、片づけと整理を進めている。
冷凍庫で長いこと眠らせていた海老をトマトソースで煮て、ある日のパスタにした。一緒に煮たトマトも、冷凍庫の底のほうにあったもの。これは初夏のあるとき、「凍らせてブレンダーにかけ、オリーブオイルとミントでサラダっぽく氷菓的にしたら面白いんじゃないか」と思って凍らせたものだった。猛暑でやる気も失せたか、そんな洒落たトライは結局しなかった。一部が冷凍焼けした海老だったが、にんにくとケチャップとオレガノを強めにきかせたら気にもならず、おいしくいただける。カバーテクニックばかり上げるのではなく、来年はもう少し食材管理をしっかりと出来るように頑張ろう。そう誓って、今年のしめくくりとしたい。
さて今年も拙連載におつきあいくださった皆様、本当にありがとうございました。どうぞ良い年をお迎えください。
Column
白央篤司の帳尻あわせ食日記
外食が続いて栄養バランスが乱れてしまった、冷蔵庫の余り食材や消費期限が迫る調味料の使い方がわからない…体や台所をすっきりさせる“食の帳尻あわせ”のヒントを、フードライター・白央篤司さんが日々の食体験とともに綴ります。











