衝撃のグッズ
さて、開演時間が近づいたのでホールに入場。10月なのに、早くも会場はクリスマスの飾り付けがされているではないか! 先取りに驚きつつも、グッズ販売のテーブルにいそいそと向かう。あらかじめ購入を決めていたブルーのタオルに手を伸ばそうとしたが、横に並ぶ巾着のインパクトに時が止まった。「いぬ」「ねこ」と書かれてはいるが、本当にそうなのか? とツッコミたくなる謎の物体と、やたら視線が合う。彼らはタオルを買おうとする私に訴えてくる。ワシらを買え、ネタになる、と!
愛嬌はある。が、いかんぞ私。役に立つのは絶対タオルだから! タオルタオルタオルタオル。何度も心で復唱したのに、スルッと口から出てしまった。
「いぬねこ巾着ください」
カーッ(泣)。私は天を仰ぎ、ネタ大好き大阪人の我が血を呪った。オモロイものを買ってしまった。グッズが予想外になってしまったぶん、セトリには絶対「ハタラクワタシへ」と「謝肉祭」と「絶体絶命」が入っていてほしい。お願い!
デンジャラスな「謝肉祭」に「ブラボー!」
結果から言おう。「絶体絶命」は残念ながらセトリに入っていなかったが、「謝肉祭」は聴けた。しかも、とびきり情熱的でデンジャラスに! 客席からブラボー! という歓声が響いたほどだ。
いやもう圧巻の約2時間。すべての曲、穏やかなれど激しいエネルギーが染み出して、不思議な色と温度を持つやさしさと感謝と情熱に満ちていた。客席は女性が9割くらいかと思いきや、男性も多いしご夫婦連れも多かった。ふんわりと光るペンライトの光は花のようでロマンチック!
「サンタが街にやってくる」でスタートし、「世の中はハロウィンですが、そんなものすっとばしてやりましょう!」というMCにはビックリしたが、「Powder Snow」などの冬の美しい歌を聴いているうちに、彼は冬という季節が大好きなのだと納得した。なるほど。ならば秋の終わりに敢えて聴こう、三浦祐太朗のウインター・ロマンスを!!
そう腹をくくったが、セトリはどんどんクリスマスから離れていき、「JOY」「ハタラクワタシへ」などのオリジナル楽曲、山口百恵さんのカバー「ありがとう あなた」「曼珠沙華」「走れ風と共に」など縦横無尽、自由自在な内容となっていった。これは楽しい! なんとも感情が忙しい! 彼の中に棲むやさしい好青年と、情念溢れる女性の二人が代わる代わるに顔を出し、届け、届け、と右手を振りまわしながら感情を響かせているようだった。
彼のオリジナル楽曲で、初めて聴いた刹那なる恋の歌があり、それがとてもよかった。タイトルを忘れてつらい。メモしておけばよかった。んもー!
