狭いからこそ
熱気が膨れ上がる
魔のCDコーナー
中古レコードコーナーに後ろ髪をひかれつつ、CDコーナーへ突入。
棚と棚の細いほっそい隙間。そこに、昔四畳半でフォークギターをかき鳴らし、髪の毛を切るタイミングを40年ほど逃した的なナイスガイと、スカジャンを粋に着こなしたロマンスグレーが背中を合わせ、品定めをしている。
そこに並んだ私。彼らと心でハンドインハンドできた感覚があった。
さて、迷う暇もなく目に飛び込んできたのが丹波哲郎様である。な、なにぃ? 「ノストラダムスの大予言オリジナル・サウンドトラック」!? ほ、欲しい! 購入しようと思ったが、4,536円。くっ……。
そこに「俺たちが心の穴を埋めてやるぜ」と声をかけてくれたのが横浜銀蝿(のCD)だ。グラサン越しに私を見つめる真っ黒な彼らに慰めてもらうしか!
「マシンに乗せて、ジョニー!!」 私はそう叫び、(新品同様)ステッカーつきの「横浜銀蝿全曲集2020」を新品と同じ価格で買うという、「それ、中古ショップで買う意味あんの? 」という買い物をしてしまった。ツッパリはいつも罪作りである。
文・撮影=田中 稲 撮影=松本輝一 写真=文藝春秋

