登山のあとはシェイブアイスを!

 さてさて、ほどよくサースティーになった下山後は、やはり冷た~い何かで喉の渇きを潤したいところ。いきなり冷たいビアーも格別でしょうが、今回はヘルシー志向&健全に。ワイキキサイドへの帰りにちょこっと寄り道して、今やハワイNo.1とも言える大人気シェイブアイス「MONSARRAT SHAVE ICE」へ 直行しましょう!

ハワイNo.1のシェイブアイス「MONSARRAT SHAVE ICE」。

 今や「ヘルシーストリート」とも呼ばれるほど、身体に優しいメニューを売りとする大人気店が立ち並ぶ「Monsarrat Ave.」にある、知らないと見過ごしてしまうほどの小さな規模でポツリと店を構えるこのお店。日本人経営のプレートランチ屋さんでやはり大人気の「パイオニアサルーン」真横奥に位置しておりますが、お店といってもほとんど外。建物と建物の隙間に、無理やり手作り感満載の看板と屋台(?)を配置して、営業しております。

 しかしシェイブアイスのこだわりといったら大変なものでありまして、着色料等の添加物は一切使わないフルーツそのまんまの甘みと、オーガニックなものだけで作られ素材を十二分に引き出したそのシロップときたら、驚くほどあっさりしていて、さらっさらのカキ氷ともベストマッチ! 口に入れた瞬間、溶けてなくなってしまうほど軽く、食べたのか食べてないのかというぐらい滑らかなもんで、いくらでも食べ続けられてしまうわけです。

 なんせ天然もんですから、やはり日によってシロップの種類は異なりますが、僕のオススメは「マンゴー」と「ブルーベリー」。見た目からはまったく想像ができないほどのあっさりアダルトな味とのギャップに、誰もが衝撃を受け、リピートしてしまうこと必至であります!  ハワイはホント、スウィーツだけは目まぐるしいスピードで進化していきますなぁ。

僕のオススメ「マンゴー」と「ブルーベリー」。

 ただこの店も鎌倉に上陸してしまったのが残念な限りですが、やはり現地に行ってサンサンと降り注ぐ日差しを浴びながら、本場の雑な雰囲気の中で、雑にいただいたほうが100倍美味しく感じるのは当たり前……。

 日本人の悪い癖であります、海外ローカルで流行るとすぐに札束で頬っぺたを叩いてその権利を買い取り、輸入してしまう行為は非常に良くない。その土地その土地にあった食材や店の雰囲気も台無しだし、せっかくひとつの立派なオリジナルなものなのに、日本は「ブーム社会」だからさんざん持ち上げて、持ってきたはいいけど少しでもすたるとすぐにポイ捨てでしょう?

 いい例で言えば、昔はあんなに日本でも大人気だったのに、東京では今や忘れ去られた元祖パシフィックリム料理の「Roy's」なんて、2階の窓正面に広がるあの地平線に沈むサンセットを眺めながら、ゆっくりと流れる時間の中でいただく、ハワイらしいアロハなアイディア料理の数々だからこそいつまでたっても僕にとってはNo.1のフェイバリッツレストランでありますが、日本に持ってきて同じ料理を提供できたとしても、青山や広尾、六本木みたいな大都会のど真ん中で高層ビルや人混みにまみれながらとなれば、味も違って感じてしまいますし、その温度差に気がついたら最後、あれよあれよと言う間に潰れてしまうのも仕方ありません(涙)。

 「郷に入っては郷に従え」じゃないですが、特にハワイのものはハワイの風土や気候があってこそ、その良さが引き立つものばかりなので、何でもかんでも輸入してしまうのはちょっと勘弁して欲しいものであります。

MONSARRAT SHAVE ICE
所在地 3046 Monsarrat Ave, Honolulu, HI 96815
電話番号 808-732-4001

小川カズ(おがわ かず)
ファッションディレクター&フォトグラファー。東京、青山生まれ。80年代半ばから当時まだ数少ないスタイリストとして活動を開始し、堺正章、石田純一、片岡鶴太郎、武田修宏などを担当する。99年からはフォトグラファーとしても活躍。ハワイと東京に拠点を構えて活動する。

Column

小川カズのいい加減でアロハな裏ハワイ

スタイリストの草分けとして堺正章、石田純一などのスタイリングを長年手がけ、フォトグラファー、ファッションディレクターとしてテレビや雑誌で活躍の小川カズさん。実は30年以上にわたる筋金入りのハワイマニアとしても知られています。ハワイ好きが高じてコンドミニアムまで購入、いまや東京とハワイを生活拠点としている小川さんが、メディアには載らない「裏ハワイ」の面白さを紹介します。

2016.02.26(金)
文・撮影=小川カズ