しっかり食べて飲めてロコに大人気！ ハワイで流行中の「ガストロパブ」とは？

日本人のいないホテルのバーといえば……

 ちょっと前まで、ハワイというと深夜はどこもお店が開いていない、という印象が強い街でありました。

 夕食後に一杯やって帰ろうと思っても、なかなか気の利いたお店も見つからず、結局はワイキキの大きなホテルのバーで日頃は縁のない「ストロベリーダイキリ」なんかを頼んで、南国気分を味わっているぐらいがオチ。

 ただし、その中でも「メロー」という言葉が世界一似合う、重厚感溢れる「ハレクラニ」の「Lewers Lounge」だけは若い頃から別格な「夜の聖地」でありまして、ジャズライブが入るアンバーな室内で恋人同士しっぽり飲むのも良し……心地よい風の流れとともにハワイにいることに酔いしれながら、ラナイで仲間達とワイワイ飲むのも良し……、と今でも最高に甘～い夜を演出するには、ココに寄らずしては帰れない究極のBARと言ってもいい素敵な空間であります……。

 あとホテルのバーと言えば、「ワイキキの定番」ご存じ「ロイヤル ハワイアン ホテル」の「Mai Tai Bar」。有名なカクテル「マイタイ」はココが発祥地と勘違いなさってる方が多いみたいですが、実は1944年にサンフランシスコで考案されたカクテルでありまして 、その人気にあやかってロイヤル ハワイアンでもオリジナルの「スクラッチ・マイタイ」として提案したところ、たちまち大人気になり、その後バーのスタイルを今のオープンエアにリニューアルした時に、その名称を「マイタイバー」と変更しただけ、というのが事実であります。

 確かにこのシチュエーション、ワイキキビーチやダイアモンドヘッドを眺めながらのコテコテの“ザ・ハワイ”的なひとときも悪くはないんですが、やはりここだとあまりに有名すぎて前を向いても後ろを向いても日本人観光客の嵐に巻き込まれてしまうこと必至。ということで、どうせ同じ景色で一杯やるなら、迷わずワイキキビーチ沿いロイヤル ハワイアンすぐ横に隣接する「アウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾート」内の「Duke's Canoe Club」へ足を向けましょう!!

左：アウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾート内の「Duke's Canoe Club」。
右：ライブ演奏を聴きながら、ハワイアンナイトを体感する。

 ココはワイキキど真ん中の行列ができる大人気店にもかかわらず、ロコというよりかメインランドからやってきたお上りアメリカ人だらけなのが恐怖心をあおるのか、なぜか日本人率がやたらと低くて逆にGood!! しかもその昔は、それ目当てに通った時期もあったぐらい、ココのウェイトレスはみんな可愛すぎたもんだから、ついつい長居して深酒してしまっていましたが、僕が歳をとったのか、彼女らが歳をとったのか、はたまた店の人員選考基準が変わったのか、今やそういった楽しみ方は皆無となってしまったので、軽く1、2杯ひっかけるぐらいがベストであります。大好きだった安っぽくてアメリカらしい「ペパロニ Pizza」もメニューから無くなってしまったしね……。

 とは言いつつも、毎日目の前で繰り広げられるハワイアンミュージックのライブ演奏も実に心地よく、海に反射した帯状の月の光を眺めながら、まさに絵に描いたようなハワイアンナイトを近場で体感するには最高にオススメのスポットであります。

2016.01.29(金)
文・撮影＝小川カズ