寿司は好きなものを
好きなだけ食べたい!
僕は日本でもあまりお寿司は食べません。答えは簡単……、値段が高いくせに食べたいものが食べられず、わがままが聞かないからです。
僕の場合、根本的にそんなに生魚が好きではないということもあるんですが、本来は日本最初のファーストフードと言った立ち位置。街の屋台で早くて安い庶民的な食べ物として提供されていたものなのに、ここ数年の進化した高級寿司店のおかげで、好きなものを好きなだけ食べられていた「お好み」というスタイルがすっかり影を潜め、「俺の寿司を、俺のペースで出すから俺のペースで食べてください」的な「おまかせ」寿司屋が増えてしまったのも原因のひとつ……。
まぁ、こっちだって魚に関しては全くのど素人なわけですから、プロの言う通りにいただいていれば間違いはないんでしょうが、僕のような、ものの好き嫌いがはっきりしている人間だと、「はいそうですか」と素直に受け入れられず、やはり「それは食べたいけどこれはいらない!」とはっきり言いたいのが本性。
もちろんそういった敷居の高いお寿司屋さんも、そりゃ~、お金さえ出せば好きなように握ってはくれるんでしょうが、「任せてください!」って言ってるんだし、そこはやっぱりこちらが身を引いて、最初っからそういった流行りの有名店には行かないっていうのが僕の結論になっております。
ただそう啖呵を切ったはいいものの、何が問題かっつうとお寿司自体は大好きだと言うこと……苦笑。
そこでハワイのお寿司屋さんの登場です!!
もちろんハワイにもとことん自分の腕を磨き上げ、自信を持って「Trust me」を掲げる一流のお寿司屋さんも少なくはありません。
例えば今で言えば、「鮨 銀座 おのでら」のように日本の、それもザギン(笑)の超高級寿司店をそのままそっくりハワイに移動させてしまったようなところから、逆に素材はとことんハワイ産の地魚等に絞り込み、それに日本独特の「漬け」や「発酵」技術を駆使して決して日本では味わえない独自のお寿司を確立してしまった、今最も話題のミシュラン2ツ星の「すし匠」。
そしてLAで注目を浴びてからここハワイに移り住み、この島の寿司文化を1からひっくり返したと言っても過言ではないほど、日本とアメリカのいいとこ取りなオリジナル寿司を追求し続けてきた「鮨 佐々舟」と。
特に「佐々舟」はハワイに上陸したての頃、つまりは僕もまだイケイケでお金にも糸目をつけず使いまくっていた頃に、ここの特徴でもある人肌ぐらいの温かい酢飯で握られた、和とも洋とも言えない創作寿司に感動し、ずいぶんと通わせていただいたもんです。
が、当時はローカルとジャパニーズの値段の価格差が激しく、一緒に連れて言った某美容業界の大先輩がここのオーナー板前のせいじさんと喧嘩になってしまった事件があって以来、しばらく足が遠のいておりました。
でもまたつい最近、こちらに住むこの店常連のお金持ちマダム親子に連れてきていただいたら、やっぱり美味~い!!
確かに大将のせいじさんは昔から実に淡々とクールに握られるので、とっつきにくい感は相変わらずでしたが、彼に任せておけば安心。ただしプライスは大体ひとり200ドル以上~、ハワイでは相当な高額店となります(涙)。
2017.07.20(木)
文・撮影=小川カズ